子どもに本を手渡す人(パンダ金魚とアクティブラーニング/いいおかおと子育て支援)

1.パンダ金魚とアクティブラーニング

日本の学校の授業は受け身ばかりで、子ども達が自ら考え、発言する参加型の学習、アクティブラーニングがあまり行われていないと言われがちです。私も自分の子どもの頃の記憶をもとに、そう考えていました。でも小学校3年生の娘の小学校の授業参観で、時代の流れを感じさせられました。

科目は国語。先生は『消えたパンダ金魚』という奇妙なタイトルが印刷されたプリントを子ども達に配りました。そして黒板に校長先生、ねこやまさん、うまかわさんをはじめとした個性的な登場人物のイラストを張り、それぞれの特徴を書きだします。子ども達と保護者が興味津々、見つめます。

すると先生が『消えたパンダ金魚』という物語を勢いよくドラマッチックに読み上げ始めました。小学校を舞台にしたパンダ金魚という珍しい金魚をめぐるミステリです。

消えたパンダ金魚を盗んだ犯人が分かる前までを先生が読み終わると、子ども達はグループに分かれ、誰が犯人か、そしてなぜそう思うのかを話しあいはじめました。大人しい性格の娘も犯人は「うまかわさんだよ」、「ううん、ねこやまさんだよ、だって・・・・・・」などと他の子達と意見を闘わせています。

そして途中先生が「コンパクトが鍵になっています」、「このコンパクトを使って暗号を読んでみて下さい」、「暗号を鏡で映してごらん・・・・・・」などと、子ども達の推理を促します。

各班、予想した犯人を発表します。1班発表する度に、子ども達は「違うよ、だって・・・・・・」などと、活発に発言します。

先生が、物語の最後の部分を読み上げると、犯人とその動機、犯行の手口、なぜそう推理できるのか根拠がはっきりしました。子ども達はなるほど、と最後まで目を輝かせていました。

子ども達が互いに協力し、異なる意見をぶつけ、すりあわせ、考えを生み出す様を目の当たりにした私は、驚きました。

そして授業の終わりに先生が、『消えたパンダ金魚』は仮説社から出ている朝の連続小説―毎日5分の読みがたりに収められている短編で、作者の杉山亮さんは学級文庫にある『もしかしたら名探偵』のシリーズを書いている杉山さんだと言って、子ども達に本を見せました。
  

参考1:『自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門http://reikohidani.net/2473/

参考2:Benesse教育情報サイト「アクティブ・ラーニング」、実は既に行われている?

*************************************************************

2.子育て支援と絵本

子育て支援センターで、読み聞かせグループの方達の読み聞かせを聞き、感動しました。

0歳~3歳ぐらいの子ども達がママ達の膝にのせられ、興味津々見つめる中、グループの方達はおもちゃの鍋と食べもの、包丁、まな板を使って、カレーライスの歌を歌いながら、カレーをつくる真似をしました。ママ達が歌に合わせて子ども達の体を優しく揺らします。

次にグループの人が『いいおかお (松谷みよ子 あかちゃんの本)』(童心社)の絵本を読み聞かせた後、支援センターの部屋の端から真ん中に移動しながら、

「ふうちゃんが ひとりで いいおかおを していました」と言うと、もう1人が端から真ん中に移動しながら、「そこへ いいおかお みせてって ねこがきました」と言い、また次の人が移動し・・・・・・と劇のように物語を展開させていきます。

そしてラストの「ビスケットをくれました。ああ おいしい おいしい おいしいはどこ」でほっこり場が和んだ後、ビスケットのおもちゃをポシェットから出してきて、子ども達一人一人に、おいしい、おいしいと食べる真似をさせました。

とっても楽しい読み聞かせでした。

その後、グループの1人が、最近のお母さんはどんな絵本を読んでいるのか、とママ達に聞き、みんなで絵本の話で盛り上がりました。読み聞かせグループの方が、昔からある定番の絵本は知っているけれど、新しい絵本のことはあまり知らなくて、もっと知りたいとおっしゃっていました。こういう人達に新しい絵本を紹介するセミナーや会があればいいのにな、と思うとともに、ノルウェーの読書推進プロジェクト、『読書の種』のことを思い出しました。

http://reikohidani.net/2344/

37.だいすきなマロニエの木

だいすきなマロニエの木

オーサ・メンデル=ハートヴィッグ/文
アネ・グスタフソン/絵
2015年12月 光村教育図書

daisuki

(画像出典)http://mitsumura-kyouiku.co.jp/ehon/176.html

toti

toti2

 

 

toti3

樹木の生態について千葉県立博物館、富山県中央植物園、筑波実験植物園のみなさんにお知恵をお借りしました。改めましてお礼申し上げます。

kajitu

happa

**************************************************************

(5年生のクラスで『だいすきなマロニエの木』の読み聞かせを行いました)

今日はスウェーデンの絵本を紹介したいと思います。みなさんはスウェーデンがどこにあるか知っていますか?

(1人だけ手を挙げてくれた子がいたので、『MAPS 新・世界図絵』徳間書店の4ページ、5ページを開いてどこか指さしてもらいました。)

maps1

正解です。今度はスウェーデンだけの地図を見てみましょう。

(『マップス: 新・世界図絵 (児童書)』の10ページ、11ページのスウェーデンの地図を開いて見せました)

スウェーデンという国がどんな国か知っている人はいますか?

(手が挙がりませんでした)

スウェーデンはドイツやフランスなどよりも北にある国で、南北に細長い形をしています。特に北部はとても寒く、雪がたくさん降るそうです。自然豊かな国で、スウェーデンの人達はこの地図にあるように雪山でスキーをしたり、川でラフティングをしたり、山でハイキングやサイクリングをしたりと、自然と親しみながら暮らしています。日本と気候が違うので、日本ではあまり見ない植物もあるようです。

maps2

今回、紹介するのは『だいすきなマロニエの木』という本です。マロニエの木というのはスウェーデンなどのヨーロッパの国々をはじめ世界中で広く栽培されている木で、日本でも街路樹として時々植えられています。ただ日本ではこのマロニエの仲間のトチノキの方が多く見られます。栃木県の県の木はこのトチノキで、栃木の栃は、このトチノキからきているそうです。

totinokidayo

 

totinokidayo2

totinokidayo3

totinokidayo4

totimoti

マロニエの木はどんな木なんでしょう?

(『マロニエ (しょくぶつ・すくすくずかん)』を開きました)
スウェーデンではこのマロニエの木がたくさん生えているので、実を拾って遊び道具にしたり、枝に吊るしたブランコに乗って遊んだりと子ども達に親しまれているそうです。(マロニエがどんな木か、写真絵本をめくりながら紹介しました)

swing

みなさんの中で木登りをしたことがある子はいますか?

(5、6人手を挙げてくれました。なぜか男の子が多かったです)

スウェーデンではこのマロニエの木に登る子も多いようです。

では、絵本を読んでみましょう。

(本を読みだしました)

●第2場面 「ソフトクリームに にた 白い 花が さく」、「かざぐるまみたいな こい みどりいろの はっぱが しげる」、「きみどりいろをした とげとげの 実が できる」、「ちゃいろくて つるつるした マロニエの 子ども」というところでは、女の子がつくっているマロニエの飾りがそれぞれどれに対応しているのか指さしながら示しました。

●第3場面

「ヤマネコヤナギ」と「カバノキ」がどれを指しているのか鉢植えの枝を指さしながら示しました。

●第4場面

「ゼラニウム」、「かたむいた サボテン」もやや絵が小さいので、どこにあるのか指さしました。(指さしはあまりやりすぎるとよくないようですが……)

●第8場面

木に登る場面は、導入で木登りの話をしていたのもあって、興味を示してくれた子が多かったようです。

●第9場面

枝からさげられたブランコが出てくる場面も、最初にお話していたのもあり、興味を持ってくれたようです。

**************************************************************

植物の命に関する部分は、スウェーデンの子ども達ほど自然との関わりが多くない日本の子ども達がどこまで実感として理解してくれるのか心配していたのですが、蓋を開けてみると、木登りをしたことがある子がいたり、マロニエの木について興味を持ってくれた子も多く意外でした。この絵本に描かれているマロニエの木を愛し、その命を尊ぶ女の子の気持ちや、命のバトンが引き継がれていくことの不思議さ、大切さを感じてくれた子が少しでもいてくれたらいいな、と思いました。

*****************************************************************

(翻訳を終えて)

この絵本の翻訳をきっかけに自分の子どもにも、もっと自然と親しんでほしいと思いようになり、動植物と親しむ機会を増やすようにしました。

ある時お友達と公園に行った時に、枝が折れそうもない頑丈な木を選んで登らせてみました。最初はうちの子もそのお友達も初めての経験だったようで、戸惑い気味だったのですが、登りはじめると楽しくなってきたようで、わいわい、きゃあきゃあ言いながら登ったり降りたりを繰り返していました。

 

inu

hakusai

daikon

cabbage

hachiue

 

inutokodomo

hatiehatie2

身の回りの自然に今までよりも目がいくようになり、町を歩くのが前より楽しくなりました。

cosmos

最後に翻訳の機会を与えてくださり、資料集めや訳文の推敲など最後まで情熱をもって導いてくださった光村教育図書編集者の吉崎麻有子様に心よりお礼申し上げます。読み聞かせレポートに書いた栃木県の話や、マロニエの写真絵本についても、吉崎様から情報をいただきました。おかげであたたかみのある作品に仕上がり、とても嬉しく思っております。

また装丁家の森枝雄司様、素敵な装丁、デザイン、書き文字、レイアウトをありがとうございました。

(原書表紙)

vakna

(日本語版表紙)

daisuki

 

 

 

 

算数は何の役に立つのだろう?

小学校5年生のクラスで以下のようにブックトークを行いました。

************************************************************

●みなさんは算数は好きですか?

(「好き」と自主的に手を挙げる子がいました。そこで「では好きな子?」「まだ面白さが分からない子?」と聞くとそれぞれクラスの3分の1ぐらいが手を挙げてくれました。先生も授業と関係がある話だからか、とても関心を持ってくれている様子でした)

●ただ算数を勉強して一体将来何の役に立つんだろう? と疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか?

●その答えが一部載っている本があるので、まず紹介したいと思います。

5教科が仕事につながる!数学の時間

この本には様々な職業でどんな風に算数や数学(中学校に行くと算数の教科が数学と呼ばれるようになります)が使われているのかが紹介されています。

●たとえばインダストリアルデザイナーという職業のページを見てみましょう。インダストリアルデザイナーとは自動車や鉄道車両、カメラや腕時計、椅子やポット、ロボットなど、様々な工業製品のデザインをする仕事だそうです。この本で紹介されている山中俊治さんは、JR東日本のSUICAの改札機のパネルのデザインなども手掛けているそうです(22ページのパネルの写真を見せる)。では、インダストリアルデザイナーの仕事でどんな風に算数や数学を使うのでしょう?(25ページの携帯電話のデザインの図面を見せながら24ページの山中さんの言葉を読み上げました)山中さんはこう言います。

「製品の美しさや手触りの良さを出すために、ある面にふわっとした丸みをつけたとします。しかしそれを技術者に『こんな感じで』と伝えるだけでは、その通りにモノを形作ってもらうことはできません。そこで私たちは、その丸みというのを数学的な表現にして伝えていきます。半径10cmの円の孤を150度分だけ切り取った曲線にして、といった具合にです(あらかじめ書いてきた図を見せながら)」

●この本には大工さんも出てきます。本にはこんな風に書かれています。(33ページを読み上げました)「大工は腕だけでなく実は頭脳も鍛えなければいけない。その最たるものが、大工道具のひとつの「さしがね」の使い方を学ぶことだ。(おうちの人が大工さんをしている子も何人かいたようで、「さしがね、知ってる」、「うちにある」、と声を上げる子もいました。「さしがねを知っている子?」と聞くと、4分の1ぐらいの子が知っていて、先生も驚いていました)ここで紹介されている本間義仲さんという方はこんな風に話しています。「(さしがねを使いこなせると)屋根の傾きを思い通り出したり、その傾きに沿って屋根の木材を組めるよう、それぞれの辺の長さを考えたりすることができます。丸太からむだなく正方形の角材を切ったり、木材に等分線や垂直二等分線を引くこともできますよ。子どものころは算数や数学が苦手だったのに、大工になったらそれが大事だった。ただ、さしがねは奥が深い道具なので、図形の理屈を学ぶだけでは使いこなせない。職人の世界では、やはり手を動かして体で覚えていくのが基本です」

●最後の大工さんの話で「理屈を学ぶだけではなく、手を動かして体で覚える」という言葉が出てきました。算数の勉強にも当てはまるのではないでしょうか? そこでもう1冊お勧めしたい本があります。

さわって学べる算数図鑑』(学研)です。

この本では5年生で習う分数や立体の展開図などについて、実際に図を組み立てたりしながら指先と目で学ぶことができます。

sannsuubunsuu

(出典:http://livedoor.blogimg.jp/oshinworld/imgs/0/0/00ec1585.jpg)

2402_1

(出典:http://hon.gakken.jp/img/info/2402_1.jpg)

●最後にちょっと毛色の違う本を紹介させてください。

算法少女 (ちくま学芸文庫)』(遠藤寛子作、岩崎書店)です。

漫画版も出ています。

この本の主人公は算法(今の算数)が大好きな13歳の江戸時代の少女、千葉あきです。彼女のお父さんは町人で、医師をしていました。お金もうけには疎く、お母さんはお金の工面に苦労していました。古本屋で算法の本を買ってきては、娘のあきに教える夫の姿を見て、お母さんは算法なんてお金になりやしないと気に入らない様子です。その当時は算法は武士や大名など、限られた身分の限られた人たちだけが学べるもので、町人で、しかも女の子のあきには学ぶ必要のないものだ、とお母さんは考えていたのです。当時は今のように小学校、中学校は義務教育ではありませんでした。

ある時、あきは藤田貞次という算法家の弟子の水野三之介の唱えた算法の説の誤りを指摘しました。そのことで、町娘の分際で生意気だ、とあきは目をつけられつつも、算法への情熱を失うことなく、算法道を追及し続け、次第にその能力が周囲に認められるようになります。

この本は私達にこんなことを教えてくれている気がします。算数では答えはいつだってひとつだということです。たとえその答えを出したのが町人であろうと武士であろうと、貧しかろうと豊かであろうと関係なく。正しいものは正しいのです。

●算数関係の面白い本は他にもたくさんあります。

浜村渚の計算ノート (講談社文庫)

 

コミック版もあります。

これは漫画しかないのですが、『和算に恋した少女 1(和の巻) (ビッグコミックス)』もお勧めです。

ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

ブックトーク なりたい仕事を探そう

以下のような形で子どもたちに話しかけながら、ブックトークを進めました。

****************************************************************

みなさんには将来なりたい仕事はありますか?

☆子ども達が「ぼく~になりたい」、「私は~」と言い出しました。

どの仕事を目指すか決めるには、まずどんな仕事があるかを知る必要があります。実は今日、色々な職業の人に来てもらっています。廊下をのぞいでみてください――というのは冗談です。ごめんなさいね。実際の人に来てもらうのはなかなか難しいですが、今日はある本を持ってきました。これを読むことで、色々な職業の人達の話を聞くことができるのですよ。

ただいまお仕事中 ただいまお仕事中
作:越智 登代子 / 絵:秋山 とも子出版社:福音館書店絵本ナビ

☆4ページを開きました。

この本にはおもちゃ屋さん、美容師さん、車掌さん、刑事、(中略)救急隊員、ケーキ屋さんなど、様々なお仕事が載っています。この中にちょうど自分がなりたいお仕事があった人はいますか?

☆たくさんの子の手が挙がりました。その中から一人の子を指すと、その子は「大工さん!」と言いました。

それでは大工さんが載っている54ページを開きましょう。このページでは大工さんにインタビューをしています。ちょっと読んでみましょう。

☆54ページ、どうしたら大工さんになれるか、どんな子が向いているのか、などのQ&Aを読み上げました。

隣のページでは大工さんの具体的なお仕事の内容が紹介されています。

さらに大工さんの仕事について詳しく知りたい人はこんな本もあります。

おとうさんはだいくさん おとうさんはだいくさん
作:平田 昌広 / 絵:鈴木 まもる出版社:佼成出版社絵本ナビ

みなさんも先に紹介した『ただいまお仕事中』の中から興味のあるお仕事を見つけて、ページをめくって読んでみてください。

この本に書いてあるように、実は日本には2000~3000種類のお仕事があるといわれています。この本で紹介されていたのは、そのほんの一部だけでした。

2000~3000種類のお仕事の中には、珍しくて大人でもなかなか知らないようなお仕事もあります。例えばこの本にこんなお仕事が載っています。

koujyou

出典:http://www.amazon.co.jp/%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E3%81%AE%E5%BA%95%E5%8A%9B%E3%80%881%E3%80%89%E8%81%B7%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%89%8B%E3%82%8F%E3%81%96-%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%B6/dp/toc/4780305551

オリンピックの砲丸投げで使う鉄球を作るお仕事です。とても珍しいお仕事です。面白いですね。

他にお仕事をちょっと違った視点から紹介したこんな本があります。

いっぽんの鉛筆のむこうに いっぽんの鉛筆のむこうに
文:谷川 俊太郎 / 絵:堀内 誠一出版社:福音館書店絵本ナビ

☆1ページを開いて

この本には鉛筆がみんなの手に届くまでに、どんな職業の人がかかわっているのかが書かれています。

☆3ページを開いて

例えば鉛筆の先の黒い部分は、鉱山で黒鉛のかたまりをくだいてとっています。

☆8ページ

また鉛筆を作るには木も必要です。木を切り倒すお仕事をしている人もいます。

☆13ページと18ページ

そしてそれらの材料を運ぶトラックの運転手さんやコンテナ船にコンテナを積み上げるクレーン車の運転手さんもいます。

☆30ページ

こうして運ばれてきた材料を使って、工場で鉛筆を作る工員の人たちもいます。

☆34ページ

できあがった鉛筆を文房具屋さんが売ることでようやく皆の手に鉛筆が届くのです。

☆36ページ

こんな風に1本の鉛筆を作るのにたくさんのお仕事の人が関わっていることが分かりましたね。

お仕事にはまだまだたくさんの種類があります。

みなさんも図書室で「仕事」の棚を見てみてください。

しごとば しごとば
作・絵:鈴木 のりたけ出版社:ブロンズ新社絵本ナビ
新13歳のハローワーク 新13歳のハローワーク
作:村上 龍出版社:幻冬舎絵本ナビ
21世紀こども百科 しごと館 21世紀こども百科 しごと館
監修:羽豆 成二出版社:小学館絵本ナビ
あたまにつまった石ころが あたまにつまった石ころが
作:キャロル・オーティス・ハースト / 絵:ジェイムズ・スティーブンソン / 訳:千葉 茂樹出版社:光村教育図書絵本ナビ

***********************************************************

横浜市立図書館がお仕事についてこんなブックトークの内容をアップされています。さすがプロだと思いました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=b5bAOm3j-Ng

ブックトーク お金について考えよう

以下のように子ども達に問いかける形でブックトークを行いました。

************************************************

みなさんはおこづかいをもらっていますか?

☆手を挙げて「ぼく○○円もらっている」と言う子もいました。一方まだもらっていない子も。

欲しいものが見つかったら、その都度お家の人に相談をして買ってもらっている人もいるかもしれません。どちらの方法も間違いではありません。

では、なぜおこづかいを渡す家があるのでしょうか? 色々な考えがあるでしょうが、子どもにお金の使い方を学び、お金の大事さを知ってもらいたいというお家もあるかもしれません。

おこづかいをもらい、自分で管理をするようになったら、考えなくてはならないことがあります。どうしてそれがほしいのか? どれが本当に必要なのか? ということです。何を買うのが無駄遣い、贅沢なのか、どうやって判断したらよいのでしょう?

学校ではお金について勉強しますか? ☆子ども達が首を横に振りました。先生にもうかがってみたところ、「5年生の社会の時間に経済のことを少し勉強するけれど、お金のつかい方、つきあい方についてはほとんど勉強しないかもしれない」との答えが返ってきました。

では本を読んでみてはどうでしょう? 今日はこんな本を皆さんに紹介したいと思います。『お金とじょうずにつきあう本』(晶文社)というフランスの本です。

okane

この本にはこんなことが書いてあります。

☆以下のページを読み上げました。10ページ「生きるのに必要なものってなに?」、11ページ「くらしの中で、なにがあるとべんり?」、12ページ「ほしいってどういうこと?」、13ページ「どうして、それがほしいの?」

ikiru

hoshii

大人にとってもお金と付き合うのはとても難しいことです。皆はお家の人が家計簿をつけながら、今月はつかいすぎちゃった、とため息をついているのを見たことはありませんか?

そのお金というのはどうやって得られるものなのでしょうか?

☆子ども達が手を挙げ、「仕事をする」と言いました。

おうちの人はそうして得たお金を、食べ物や服代など、みんなが健康な生活を維持するために必要なものに使います。皆の学用品なども買います。

学校の勉強の他に、皆におけいこごとに行ってはどうかと言うお家の人もいるかもしれませんね。おけいこごとは、学校とは違って絶対に行かなくてはならないわけではありません。小学校高学年になるとクラブ活動もありますから、やっていない子は、そこで様々なスポーツや音楽などにチャレンジしてみてくださいね。

でも仮に皆がおうちの人から「おけいこごとをやらない? 何をやりたい?」と聞かれたらと想像してみてください。皆はどんな風に考えますか? 次の中から選んで下さい。

☆14ページ、15ページを読み上げ、6つの選択肢の中から1つ選んで手を挙げてもらいます。その後16ページ、17ページの答えを読み上げました。

anatanara

okeiko

この本にはこういった問いがいくつか書かれています。この本がお金との付き合い方について皆が考えるきっかけになれば嬉しいです。

お金について話すのはとても難しいことです。なぜなら、お金というのは平等に与えられるものではないからです。お金について考えたり話したりすると、不安になったり嫌な気分になる人もいるでしょう。だからお金についてあまり話したくない、考えたくないという人もいるかもしれません。一方であれを買いたい、これを買いたいと考えることでわくわくして楽しくなる人もいます。お金というのは、とても不思議なものです。

それでも今日、皆にお金について考えて欲しいと思ったのは、お金というのは嫌でも一生付き合わなくてはならないものだからです。お金について考えることで、将来お金を稼ぐためにこんな仕事をしてみたい、その仕事につくためにこんな勉強をしてみたいと将来への夢や希望が広がればとても嬉しいです。皆のお家の人が働いている意味も分かってくることでしょう。

お金は人生の全てではありませんが、避けては通れない、人生の一要素なのです。

お金についてもっと知りたい、考えてみたい人はこんな本もあります。ぜひ読んでみてください。

remon

『レモンをお金にかえる法』(河出書房新社)

目で見る経済 「お金」のしくみと使い方 目で見る経済 「お金」のしくみと使い方
作:アルヴィン・ホール / 訳:相良倫子出版社:さ・え・ら書房絵本ナビ
アニメ版ちびまる子ちゃん まる子の貯金箱の巻 アニメ版ちびまる子ちゃん まる子の貯金箱の巻
原作:さくら ももこ出版社:金の星社絵本ナビ
学校では教えてくれない大切なこと(3) お金のこと 学校では教えてくれない大切なこと(3) お金のこと
編:旺文社 / イラスト・マンガ:関 和之出版社:旺文社絵本ナビ
一円大王さま 一円大王さま
作:すとう あさえ / 絵:白土 あつこ出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ

okanenotukai

『シアワセなお金の使い方 ―― 新しい家庭科勉強法2 ――』(岩波書店)

kanenohanashi

『この世でいちばん大事なカネの話』(西原理恵子著)

*************************************************

(反省)

子ども達の前でお金の話をするのはとても難しかったです。習い事の話については習い事をしていない子もいるので、言葉を選びながら話をしたつもりですが、十分ではなく、言い訳っぽくなってしまいました。習い事をしてみたいけれど、おうちのお金がなくなってしまうのではないかと心配だと言う子もいました。クラブ活動のことを挙げましたが、十分にフォローできたか難しいところです。お金というのは本当にデリケートな話題だと痛感しました。学校教育で取り上げにくいのも家庭間の格差の問題もあってのことなのかもしれません。

でも先生も子ども達もすごく興味を持ってくれて、反応はとてもよかったです。このテーマの本について勉強を続けたいです。

ノルウェーでは子ども向けのお金についての本でこんなものが出ているようです。ノルウェーの文学団体NORLAが推薦しています。

『経済学って何? 事実と考察』(Hva er økonomi? Fakta og funderinger)

内容紹介:http://reikohidani.net/1599/

お金について開けっぴろげに話しすぎると下品な感じがするかもしれませんし、言葉を選ばないと相手を傷つけてしまいます。かといって教育的すぎる本、建前だらけの本はつまらない。子どもは大人が本気で自分達と向き合ってくれているのか、すぐに見透かします。子ども達の心にまっすぐに届くような本を訳したいです。

大学の学費が無料の国、教育の格差がない国では、もっとお金について学校で話しやすいのではないかと思いました。日本で家庭の経済状況を理由に進学をあきらめる子どもがいるのは事実です。子ども達の学びの機会がお金によって制限されることがない社会の実現を切に願っています。

ブックトーク、身近な遊びを見つけてみよう

夏休み中、遠方に旅行に行ったご家庭も多いことでしょう。

でも学校がはじまり、放課後や休日、家の中や近所で遊ぶ生活が戻ってきました。

家の中や近くでも色々な遊びができるのではないか、そのヒントを本の中から見つけてみましょう、と出だしで子ども達に話しかけました。

最初に紹介したのは、『みぢかなやってみよう図鑑』(ひさかたチャイルド/チャイルド本社)です。

みぢかなやってみよう図鑑 みぢかなやってみよう図鑑
監修:大久保 茂徳出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ

集めたどんぐりをペットボトルに入れて楽器を作る遊びや、町の中でネコがいつもいる場所を見つけて地図にする遊び、お店の看板やスーパーの表示などに英語を探したり、野菜の切り口に色をぬってスタンプにしたりする遊びを紹介しました。

 

marakasu

またトチの実など木の実を拾って集めて飾りをつくる遊びを紹介した後で(実際近所のどの場所で見つけたのかを話すと興味を持ってくれるようでした。トチの実を子ども達に触ってもらいました)、

toti1

toti2

『トチの木の1年』(福音館書店)を使ってトチの木がどんな木かを説明しました。家でやるのは難しいかもしれませんが、トチの実のだんごづくりに特に子ども達は興味を示していました。

トチの木の1年 トチの木の1年
文・写真:太田 威出版社:福音館書店絵本ナビ

『モチモチの木』(岩崎書店)に出てくる木と説明すると、よりぴんとくるかもしれません。

モチモチの木 モチモチの木
作:斎藤 隆介 / 絵:滝平 二郎出版社:岩崎書店絵本ナビ

また『かこさとし あそびずかん あきのまき』(小峰書店)にある落ち葉の絵作りや、スーパーのビニール袋に空気を入れてやるおすわりバレーボールなどを紹介しました。

かこさとし あそびずかん  あきのまき かこさとし あそびずかん あきのまき
文・絵:かこ さとし出版社:小峰書店絵本ナビ

『リネアの12か月』(世界文化社)にある、タンポポをつかった花輪づくりや、押し花帳、押し葉帳作りも紹介しました。

rineano12

出典:http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%82%A2%E3%81%AE12%E3%81%8B%E6%9C%88-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A-%E3%83%93%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%AF/dp/4418941010

『ラウラとマリエ 三つ編み HOW TO BOOK』(文化出版局)でデンマークの子どもが考えた面白い三つ編みのやり方を見せました。

raura

出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4579212444

『キュッパのおんがくかい』(福音館書店)に出てくる楽器作りも紹介しました。

kyuppa2

http://reikohidani.net/794/

 

出典:https://www.youtube.com/watch?v=qNmWJ0jFgqg

『ママ!』読み聞かせ

ママ!ママ!絵本ナビ

 

mor5_3

  • 見返し部分には、「マ」ではじまる言葉のイラストがいっぱい。「これ、何だ?」と指差しながら、親子でクイズを出し合うのも楽しいですよ。
    中にはちょっと難しいものも。分からなかったら、巻末の著書紹介の上に答えが載っているので、見てみてくださいね。

mor6_2

  • 大きなママの登場です! 人だけでなく、犬までもママのことをジロジロ見ています(イラストにはこういった「遊び」の要素がたくさん隠れていますから、探してみてくださいね)。
    でもママは気にしません。ママはふとっているからって、卑屈になりはしないのです。それを証拠に、服やアクセサリーも色鮮やかでおしゃれでしょう? みんなの注目をあびたって、いいんです。だって、ママはママなんですから。
    一方、主人公の「ぼく」はまわりの目を気にして、ビクビク、オドオド。お子さんと自分らしくあることの大切さについて、ぜひ話し合ってみてください。

mor7

  • ホットドッグ屋さんで、いったいママはフランクフルトとホットドッグとハンバーガーを何個食べたのでしょう? 親子で数えてみてくださいね。

mor8

  • ぼくが、おとなりの女の人をママとよぼうとすると、なぜかマではじまる別の言葉になってしまいます。「これはマラソンだね。これはマキジャクだね」などと、対話しながら、読み進めると楽しいですよ。

mor9_2

  • ママのつくる料理にもご注目を。ママは結構マメに手作りをするみたいです。量が多すぎるのは、タマにキズですが……。こんなところからも、ママの深い愛情を感じとることができます。ぼくはママが大好き、そしてママもぼくが大好きなんです!

☆イラストはイラストレーターの高畠さんに許可を得て掲載しています。転載はご遠慮ください。©Nao Takabatake

http://reikohidani.net/754/

 

『キュッパのおんがくかい』読み聞かせ

『キュッパのおんがくかい』読み聞かせ

1場面目 「キュッパは まるたの おとこのこです。なかよしの もみのきの ググランと おばあちゃんの いえに あそびにきました。」というところは、少し絵が小さいのでどの子がキュッパで、どの子がググランかわかりにくいかもしれません。指差しながら読むか、導入で少し登場人物の説明をしてもよいかもしれません。

3場面目 指揮者が登場する場面は、指揮者の体が大きく描かれているせいか、子どもたちに強いインパクトを与えたようです。私は自分の中で指揮者のキャラクターをつくってちょっとこわい感じでセリフを読み上げました。
よこから ググランが 「ぼくは ググランだよ」と いっても しきしゃは 「ああ そうかい」と こたえるだけで どうでも よさそうです、というところでは、「かわいそう」と声を漏らす子や、笑う子もいました。

4場面目  キュッパのおばあちゃんが木琴を叩く姿がふきだしの中に描かれているのですが、この場面は子どもたちの注意をかなり惹きつけることができました。漫画っぽいふきだしが絵本に出てくるのが面白かったのでしょか。おばあちゃんのバチさばきが格好良かったから?

5場面目 1年生のクラスではトランペット、サクソフォンという言葉が分からなかったようです。あまり何度も指差しをするのはよくないようですが、低学年のクラスでは理解を助けるためにやってもよいかもしれません。

7場面目 エルセがキュッパにトランペットの吹き方を教える場面。これはかなり面白かったみたいです。漫画のようにコマに分かれていると、読み聞かせでは使いにくい部分もあるのですが、実際子ども達は関心を持ってくれたように思えます。

8場面目 「キュッパは れんしゅう するうちに……どんどん どんどん どんどん どんどん どんどん どんどん…… ……うまく なりました」というところは、リズムよく抑揚をつけて読めて、子ども達が面白いと思ってくれたのが伝わってきました。
「でんせんに とりが とまっているみたいだ!」というところは1年生のクラスではちょっと反応が薄く、4年生のクラスでは関心を持ってもらえました。1年生にはまだちょっと難しかったのかもしれません。

9場面目は黒いページでキュッパの動きが描かれていないので、子ども達に理解してもらえるかちょっと心配でした。でも実際は、突然黒いページが出てきたのがインパクト大だったようで、子ども達が集中して話に耳を傾けてくれているのが分かりました。「はやく でていけ!」というところ、怖い感じで、どすをきかせて読んだのですが、びくっとしている子もいました。

11、12場面目 キュッパのお皿洗いの場面です。この絵本の場合、ここから特に面白さが爆発して、何人かだれてきていた子ども達の目も再び輝くのが分かりました。子どもってやっぱり音に興味があるのですね。

13、14場面目 キュッパが楽器をつくる場面。子ども達はキュッパに釘付けです。

15場面目 「キュッパの おんがくかいの はじまりです!」この場面は最高だと思いました。こんなに愉快で楽しい場面、なかなかないですね。子ども達はすっかりキュッパの世界に入り込んでいました。
私はPCを持って行って、キュッパのおんがくかいのプロモーション映像を流したのですが、それも評判がよかったです。先生も終わった後、興味津々で、どうして絵本と連動したビデオがあるのか、と質問してくださいました。

16場面目 おばあちゃんがトロフィーを持ってくる場面。やっぱり子どもって、トロフィーや表彰状が好きなんですね。キュッパの喜びやわくわくが子ども達に見事に伝わったようです。オーシルさんの才能に脱帽です。

http://reikohidani.net/794/