女性としての生き方について

最近女性の生き方についての議論が活発に行われているような気がします。

朝日新聞 女の子を拘束する「呪い」、親が解かねば 駒崎弘樹さん、聞き手・錦光山雅子さん

 

そうした記事や本、映像などに触れるうちに、人間として当たり前の権利を望む女性が、この社会で「フェミニスト」「生意気な女」というレッテルを貼られ、時にうとまれることもあることに気付きました。

思い返してみると、子どもの時、私はよくTVタックルなどの番組で田嶋陽子さんが他の出演者から怒られたり否定されたりしているのを観て、「何だかよく分からないけど、フェミニストって叩かれやすいんだなあ」、「フェミニストって損だなあ」と思っていたような気がします。

でも田嶋さんがおっしゃっていたことって、そんなにおかしかったのでしょうか?

私は今30代後半ですが、最近女性同士の関係がぎすぎすしているのが気にかかっています(私が悲観的なのかもしれませんが)。働いているお母さんの中には、働いていないお母さんのことを「暇人」などと陰口を言う人もいるようですし、働いていないママはママで、互いに比べ合い、不仲になってしまうケースもあるようです。キャリアウーマンの女性は女性で、経済的に自立していることを誇りに思いつつも、結婚している友人などまわりから「いつ結婚するの?」という言葉をかけられ苦しめられるケースもあるようです。経済的に自立していない女性が、キャリアウーマンの女性を内心ねたましく思ったり・・・・・・。試しにインターネットで「専業主婦」「働いている友達」などと検索してみてください。様々な人間関係の悩みについての投稿が出てくるはずです。

学生時代からの友人と集まる時でさえ、時々緊張が走ります。Aは元幼稚園教諭。結婚して子どもができると同時に仕事をやめ、育児に専念。Bは最近子どもを産んで、1年の産休を経て、医療事務の仕事に復帰。子どもを保育所に預けはじめました。そんなBにAは、「私だったらこんなかわいいうちに預けたくないなあ」と冗談めかして言います。Bは「でも幼稚園の先生と違って、私の仕事の場合、子どもが大きくなってから復職するのは難しいんだよ~」と答えます。

どうやら幼稚園の先生というのは、結婚して子どもができると、辞めるのが一般的なようなのです。

それは保育士さんも同じなのかもしれません。もちろん仕事と子育てを両立している人もいますが、子どもが小さいうちは育児に専念して、子どもが大きくなってから復職、でもその場合、非常勤にならざるをえず、勤務時間は常勤の先生とあまり変わらないけれど、給与はかなり低くなる場合が多いようです。そしてそのいらだちをぶつける矛先は子どもや親になりやすいような気がします。私は娘が小さい時、保育所に預けていたのですが、保育所の先生から(その先生は子どもが小さい時は育児に専念していて、大きくなってから復職したようです)「保育所に子どもを預けているお母さんは、子どもの成長を見逃していると常日頃お母さん達を見ていて思うのよね」と言われたことがあります。保育所の先生の働いているお母さんへの見方は意外にシビアでした。保育所の先生とママ達の価値観の違いは明白で、私も先生との考え方の違いや批判的な言葉を投げ掛けられることに悩み、元幼稚園教諭の友人に相談した時には、こう言われてしまいました。「面倒みてもらっているんだから、嫌だったら、自分で子どもをみるしかないよ」

Hanako ママWEB 保育園義務教育化1 女性が「お母さん」になった途端に、できなくなること【古市憲寿/保育園義務教育化・1」】http://hanakomama.jp/column/interview/14208/

男性以上に女性の生き方は多様で、置かれている状況が違う人同士が分かり合うのって本当に難しいんだなぁ、と思います。

https://youtu.be/sN2HsfLE44g?t=27m32s

AbemaTV公式 YouTubeより 立場の違う人がわかり合うことについて

【3月1日イベント開催】保育園落ちた「 #フリーランスが保活に思うこと 」新しい働き方・保育の形考える The Huffington Post | 執筆者: 泉谷由梨子さん http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/15/freelance-hokatsu_n_14763608.html

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朝日新聞 女の子を拘束する「呪い」、親が解かねば 駒崎弘樹さん、聞き手・錦光山雅子さんでフローレンスの駒崎さんは、”春から小学生になる娘(6)が先日、「友達から『女のくせに』と言われた」と教えてくれました。まだ6歳になったばかりなのに。そんな娘に「女だからといってできないことは何もないんだよ」と力説しながら、「呪い」の言葉はこうやって幼いときから女の子をしばりつけていくのかと実感しました。”と書いておられます。私は娘に女の子らしくしろ、とか女の子だからピンクがいいよね、と言ったことはありません。でも、娘は残念ながら保育所で他の子や保育所の先生に言われたのか「女の子はピンク」と覚えて帰ってきました。他のママさんで、「女の子だからピンクとは教えないでください」と抗議していた人もいましたが、私はモンスターペアレンツ扱いされるのも嫌だし、何も言いませんでした。そもそも先生はこういったことを学生の時に習わなかったのでしょうか? 娘は今はもう9歳なのですが、最近娘と将来の夢について話していて、「昼間は(正社員として)働いて、16時か17時に帰ってきて、ご飯の準備をしたり、子どものお世話をしたりする」と言われ、育児、家事、仕事の両立が難しいという現実を今伝えるべきなのか迷いました。私自身は女の人らしくしろと親から言われたことがなく、「これからは女の人の時代だ。企業も女の人の能力を生かさなくては。女の子だからって男に負けるな」と言われて育ったのですが(父の期待に応えることはできなかったのかもしれません)、子どもながらに実際まわりの大人を観察して、キャリアウーマンと呼ばれていた親戚が行き遅れ扱いされているのに気付き、女の人が会社で頑張っていてもそれを認めない意地悪な大人もいるのだと、子どもながらに感じ取りました。あれから30年以上たちましたが、女性をとりまく社会の状況は変わったのでしょうか?

「昼間は(正社員として)働いて、16時か17時に帰ってきて、ご飯の準備をしたり、子どものお世話をしたりする」と言う娘に、私は何て言うべきだったのか、今も考えている途中です。子育ては人それぞれですので、皆がそれぞれに子どもに何を伝えたいのか考える必要がありますね。ひとつ、本の中にヒントになりそうな言葉を見つけました。自分が訳した本で、宣伝になってしまうのですが、とてもいい言葉だと思うのでここで紹介させてください。駒崎さんが娘さんに伝えられたことと少し通じるところ、また違っているところ両方がありそうです。http://reikohidani.net/2473/

99ページ『人間に限界はない』より

「善い人間は、自分の行動につねに責任を持つこと、人生の道を自ら選ぶことで、なりたい自分になれると知っている.

これって、すごいことだと思わないかい? きみたちは根本的には自由なんだ。でもこの世のなか、どんなときもかんたんに自由と選択肢が手に入るとはかぎらない。
たとえばこの本に出てきた哲学者のほとんどが、おじいさんだって気がついたかい? なぜだろう? 1章で、いまは哲学にしたしむのに、男か女かは関係ない、って言ったよね。でもどうしてむかしは、ちがっていたんだろう? その答えの1つに、女の人が歴史上、男の人とまったくおなじ教育の機会を得てきたわけではないことがあげられる。女性は成長する機会と自由を制限されてきたんだ。
プラトンはこのことに頭を悩ませていたにちがいない。かれが「社会をおさめるのは哲学者だ」と考えていたのを、おぼえているかい? プラトンにとっては女性も男性とおなじ、優れた哲学者だった。これまでの世界の歴史でみながそう考えれば、女性は男性とおなじ教育を受け、社会での道を自分できめる権利を得ることができたのにね。メアリ・ウルストンクラフトとシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、教育を非常に重視し、女性が男性とおなじチャンスを得られる社会をつくるため、力を尽くした。いまでは男女は様々な面で平等だ。この自由を勝ちとるために、長年たくさんの人が奮闘してきた」

この本はスウェーデンの本です。スウェーデンの読者に向けて描かれた本ですので、「いまでは男女は様々な面で平等だ」と書かれていますが、日本でも男女は平等でしょうか? 「この自由を勝ちとるために、長年たくさんの人が奮闘してきた」とも描いてあります。でも私は何も奮闘することなく、ただ今こうしてブログを書くことしかできずにいます。娘に何と言えばいいのか、いまだに答えが出ません。

高学歴女子が年収212万でもNPOで働く理由 http://toyokeizai.net/articles/-/151362


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北欧の児童書には女性の生き方が示された作品がたくさんあります。今とても気に入っている作家さんは、先日『うちってやっぱりなんかへん?』(翻訳 青木順子さん)のイベントで、森百合子さんという方が紹介されていたKerstin Thorvallさんです。

『あなたへの本』

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働くのも、子育てに集中するのも女性自らが選ぶ権利であることや、太っている子も健康的な食事をこころがけながらも自分の体型を受け入れて自分らしくおしゃれする事、生理を迎える時のこと、デートの時に男の子にお金を出してもらうか割り勘にするかなど女性としてのたしなみがティーン向けにとても正直に、親しみやすい言葉で、かつ時に哲学的に書かれたスタイリッシュな本です。

こちらのサイトに中身の画像がたくさん載っていました。http://ida.elle.se/en-bok-del-2/

『ちいさな、ちいさな子の肖像』

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赤ちゃんの成長がとても生き生きと描かれた作品。赤ちゃんがはいはいする後姿、やわらかな手、たっちできるようになった時のこと、動き回れるようになるとたくさんいたずらすることなど、とびきりキュートな赤ちゃんの姿が描かれています。同時にそれを見守る喜びや、「赤ちゃんにとってはあなたが世界一のお母さんなんですよ」と子育て中のママへのねぎらい、励ましの言葉もおさめられた力強いママへの賛歌でもあります。

フェミニストというと、怒ってばかりの怖い人というイメージを勝手に抱いていたのですが、彼女の語りは暖かで、様々な立場にある人達への思いやりを感じさせます。

日本人でたとえると詩人、新川 和江さんのような雰囲気。田辺聖子さんほどは勝ち気じゃないかもしれません。でも田辺さんの作品も大好きで、作品を読んだ時の感動は今でも心に残っています。女性としての生き方についても考えさせられます。

 

でも自立した女性を男性は愛せるのでしょうか・・・・・・? 宇多田ヒカルさんの『俺の彼女』を聴いたり、生島治郎さん、小泉喜美子さん元夫婦の本を読んでいると、色々考えさせられます。

 

参考:しからない子育て/『ヴェスタ・リネアとおこりんぼママ』 http://reikohidani.net/2285/

お母さんを応援する絵本『いとしいあなた』http://reikohidani.net/1915/

性別役割分業、イクメン/Z棟のアウロラ お父さんが家で育児をして、お母さんが外で働く。そんな家で育つ私は、かわいそうなの? http://reikohidani.net/2202/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもに本を手渡す人(パンダ金魚とアクティブラーニング/いいおかおと子育て支援)

1.パンダ金魚とアクティブラーニング

日本の学校の授業は受け身ばかりで、子ども達が自ら考え、発言する参加型の学習、アクティブラーニングがあまり行われていないと言われがちです。私も自分の子どもの頃の記憶をもとに、そう考えていました。でも小学校3年生の娘の小学校の授業参観で、時代の流れを感じさせられました。

科目は国語。先生は『消えたパンダ金魚』という奇妙なタイトルが印刷されたプリントを子ども達に配りました。そして黒板に校長先生、ねこやまさん、うまかわさんをはじめとした個性的な登場人物のイラストを張り、それぞれの特徴を書きだします。子ども達と保護者が興味津々、見つめます。

すると先生が『消えたパンダ金魚』という物語を勢いよくドラマッチックに読み上げ始めました。小学校を舞台にしたパンダ金魚という珍しい金魚をめぐるミステリです。

消えたパンダ金魚を盗んだ犯人が分かる前までを先生が読み終わると、子ども達はグループに分かれ、誰が犯人か、そしてなぜそう思うのかを話しあいはじめました。大人しい性格の娘も犯人は「うまかわさんだよ」、「ううん、ねこやまさんだよ、だって・・・・・・」などと他の子達と意見を闘わせています。

そして途中先生が「コンパクトが鍵になっています」、「このコンパクトを使って暗号を読んでみて下さい」、「暗号を鏡で映してごらん・・・・・・」などと、子ども達の推理を促します。

各班、予想した犯人を発表します。1班発表する度に、子ども達は「違うよ、だって・・・・・・」などと、活発に発言します。

先生が、物語の最後の部分を読み上げると、犯人とその動機、犯行の手口、なぜそう推理できるのか根拠がはっきりしました。子ども達はなるほど、と最後まで目を輝かせていました。

子ども達が互いに協力し、異なる意見をぶつけ、すりあわせ、考えを生み出す様を目の当たりにした私は、驚きました。

そして授業の終わりに先生が、『消えたパンダ金魚』は仮説社から出ている朝の連続小説―毎日5分の読みがたりに収められている短編で、作者の杉山亮さんは学級文庫にある『もしかしたら名探偵』のシリーズを書いている杉山さんだと言って、子ども達に本を見せました。
  

参考1:『自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門http://reikohidani.net/2473/

参考2:Benesse教育情報サイト「アクティブ・ラーニング」、実は既に行われている?

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2.子育て支援と絵本

子育て支援センターで、読み聞かせグループの方達の読み聞かせを聞き、感動しました。

0歳~3歳ぐらいの子ども達がママ達の膝にのせられ、興味津々見つめる中、グループの方達はおもちゃの鍋と食べもの、包丁、まな板を使って、カレーライスの歌を歌いながら、カレーをつくる真似をしました。ママ達が歌に合わせて子ども達の体を優しく揺らします。

次にグループの人が『いいおかお (松谷みよ子 あかちゃんの本)』(童心社)の絵本を読み聞かせた後、支援センターの部屋の端から真ん中に移動しながら、

「ふうちゃんが ひとりで いいおかおを していました」と言うと、もう1人が端から真ん中に移動しながら、「そこへ いいおかお みせてって ねこがきました」と言い、また次の人が移動し・・・・・・と劇のように物語を展開させていきます。

そしてラストの「ビスケットをくれました。ああ おいしい おいしい おいしいはどこ」でほっこり場が和んだ後、ビスケットのおもちゃをポシェットから出してきて、子ども達一人一人に、おいしい、おいしいと食べる真似をさせました。

とっても楽しい読み聞かせでした。

その後、グループの1人が、最近のお母さんはどんな絵本を読んでいるのか、とママ達に聞き、みんなで絵本の話で盛り上がりました。読み聞かせグループの方が、昔からある定番の絵本は知っているけれど、新しい絵本のことはあまり知らなくて、もっと知りたいとおっしゃっていました。こういう人達に新しい絵本を紹介するセミナーや会があればいいのにな、と思うとともに、ノルウェーの読書推進プロジェクト、『読書の種』のことを思い出しました。

http://reikohidani.net/2344/

ノルウェーの読書推進プロジェクト『読書の種』(Lesefrø)、『新・読書の種』(Ny-Lesefrø)

『読書の種』、(Lesefrø)『新・読書の種』(Ny-Lesefrø)とは?
ノルウェーで2008年~2010年にスタバンゲル大学読書研究センターの協力で、読書推進の国家プロジェクト『読書の種』(Lesefrø)が行われた。またオスロのDeichmanske図書館とオスロ南部、Søndre Nordstrand地域の保育事業局が2012年に『新・読書の種』(Ny-Lesefrø)をスタートさせたり、オスロ東部Stovner地域でも『読書の種』事業が行われたり、ベルゲンやトルガでも同様のプロジェクトが行われたり(https://www.bergen.kommune.no/aktuelt/tema/omradesatsing/9398/article-127115)と広がりを見せている。

Søndre Nordstrand地域の『新・読書の種』プロジェクト・サイト:http://lesefro.blogspot.jp/search/label/nyeLESEFR%C3%98%20-%20Hva%20er%20det%3F

ビデオはDeichmanske図書館とオスロ東部Stovner地域の『読書の種』事業の様子

上のビデオでは保育士がこの図書館の本を保育時間に子ども達に読み聞かせたり、子どもが自分で読んだり、保護者が貸りて、家庭での読み聞かせに用いたりすることができるとされている。

またipadの貸し出しも行っている。

Deichmanske図書館は保育所で本についての情報提供も行い、また半年に一度、本の入れ換えを行う(入れ換え頻度は各地域、プロジェクトにより異なるようだ)。

またブック・フェスティバルという子ども向けのイベント(上の動画03:38~ 歌を歌ったり、読み聞かせを行ったりするイベント)や

保育所関係者向けのセミナーも行っている(動画04:59~)。

また小学校入学を控えた子ども達と保護者を図書館に招待し、本についての情報や図書館の利用法などを案内するイベントも開催している(動画05:48~)。

公共図書館と保育所が連携し、子どもの読書推進活動を行うと同時に、保護者や保育士にも読書の素晴らしさ、重要性を伝えるのはとても大切なことだ。

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☆『文化を育むノルウェーの図書館』(新評論)によると、ノルウェーではこのプロジェクトに限らず、公共図書館による保育所への図書サービスに力を入れているよう。またほとんどの図書館の司書が、保育園を巡回し、定期的に図書を配本しているそうだ。

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日本でも以下のような事業があるよう。

「子供の好きな本を届けます」図書館が幼稚園、保育園に貸出サービス開始 大阪・大東市 http://www.sankei.com/west/news/140424/wst1404240038-n1.html

しらさわ夢図書館ドリーム文庫 http://yume-lib.city.motomiya.lg.jp/renkeijigyou.html

講談社本とあそぼう全国訪問おはなし隊 http://www.kodansha.co.jp/ohanashi/

 

37.だいすきなマロニエの木

だいすきなマロニエの木

オーサ・メンデル=ハートヴィッグ/文
アネ・グスタフソン/絵
2015年12月 光村教育図書

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(画像出典)http://mitsumura-kyouiku.co.jp/ehon/176.html

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樹木の生態について千葉県立博物館、富山県中央植物園、筑波実験植物園のみなさんにお知恵をお借りしました。改めましてお礼申し上げます。

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(5年生のクラスで『だいすきなマロニエの木』の読み聞かせを行いました)

今日はスウェーデンの絵本を紹介したいと思います。みなさんはスウェーデンがどこにあるか知っていますか?

(1人だけ手を挙げてくれた子がいたので、『MAPS 新・世界図絵』徳間書店の4ページ、5ページを開いてどこか指さしてもらいました。)

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正解です。今度はスウェーデンだけの地図を見てみましょう。

(『マップス: 新・世界図絵 (児童書)』の10ページ、11ページのスウェーデンの地図を開いて見せました)

スウェーデンという国がどんな国か知っている人はいますか?

(手が挙がりませんでした)

スウェーデンはドイツやフランスなどよりも北にある国で、南北に細長い形をしています。特に北部はとても寒く、雪がたくさん降るそうです。自然豊かな国で、スウェーデンの人達はこの地図にあるように雪山でスキーをしたり、川でラフティングをしたり、山でハイキングやサイクリングをしたりと、自然と親しみながら暮らしています。日本と気候が違うので、日本ではあまり見ない植物もあるようです。

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今回、紹介するのは『だいすきなマロニエの木』という本です。マロニエの木というのはスウェーデンなどのヨーロッパの国々をはじめ世界中で広く栽培されている木で、日本でも街路樹として時々植えられています。ただ日本ではこのマロニエの仲間のトチノキの方が多く見られます。栃木県の県の木はこのトチノキで、栃木の栃は、このトチノキからきているそうです。

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マロニエの木はどんな木なんでしょう?

(『マロニエ (しょくぶつ・すくすくずかん)』を開きました)
スウェーデンではこのマロニエの木がたくさん生えているので、実を拾って遊び道具にしたり、枝に吊るしたブランコに乗って遊んだりと子ども達に親しまれているそうです。(マロニエがどんな木か、写真絵本をめくりながら紹介しました)

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みなさんの中で木登りをしたことがある子はいますか?

(5、6人手を挙げてくれました。なぜか男の子が多かったです)

スウェーデンではこのマロニエの木に登る子も多いようです。

では、絵本を読んでみましょう。

(本を読みだしました)

●第2場面 「ソフトクリームに にた 白い 花が さく」、「かざぐるまみたいな こい みどりいろの はっぱが しげる」、「きみどりいろをした とげとげの 実が できる」、「ちゃいろくて つるつるした マロニエの 子ども」というところでは、女の子がつくっているマロニエの飾りがそれぞれどれに対応しているのか指さしながら示しました。

●第3場面

「ヤマネコヤナギ」と「カバノキ」がどれを指しているのか鉢植えの枝を指さしながら示しました。

●第4場面

「ゼラニウム」、「かたむいた サボテン」もやや絵が小さいので、どこにあるのか指さしました。(指さしはあまりやりすぎるとよくないようですが……)

●第8場面

木に登る場面は、導入で木登りの話をしていたのもあって、興味を示してくれた子が多かったようです。

●第9場面

枝からさげられたブランコが出てくる場面も、最初にお話していたのもあり、興味を持ってくれたようです。

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植物の命に関する部分は、スウェーデンの子ども達ほど自然との関わりが多くない日本の子ども達がどこまで実感として理解してくれるのか心配していたのですが、蓋を開けてみると、木登りをしたことがある子がいたり、マロニエの木について興味を持ってくれた子も多く意外でした。この絵本に描かれているマロニエの木を愛し、その命を尊ぶ女の子の気持ちや、命のバトンが引き継がれていくことの不思議さ、大切さを感じてくれた子が少しでもいてくれたらいいな、と思いました。

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(翻訳を終えて)

この絵本の翻訳をきっかけに自分の子どもにも、もっと自然と親しんでほしいと思いようになり、動植物と親しむ機会を増やすようにしました。

ある時お友達と公園に行った時に、枝が折れそうもない頑丈な木を選んで登らせてみました。最初はうちの子もそのお友達も初めての経験だったようで、戸惑い気味だったのですが、登りはじめると楽しくなってきたようで、わいわい、きゃあきゃあ言いながら登ったり降りたりを繰り返していました。

 

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身の回りの自然に今までよりも目がいくようになり、町を歩くのが前より楽しくなりました。

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最後に翻訳の機会を与えてくださり、資料集めや訳文の推敲など最後まで情熱をもって導いてくださった光村教育図書編集者の吉崎麻有子様に心よりお礼申し上げます。読み聞かせレポートに書いた栃木県の話や、マロニエの写真絵本についても、吉崎様から情報をいただきました。おかげであたたかみのある作品に仕上がり、とても嬉しく思っております。

また装丁家の森枝雄司様、素敵な装丁、デザイン、書き文字、レイアウトをありがとうございました。

(原書表紙)

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(日本語版表紙)

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四季を感じ、慈しむ

スウェーデンの作家で『ラッセとマヤのたんていじむしょ』の作者のマッティン・ビードマルクさんにインタビューをさせていただいた時に、マッテインさんがこんなことをおっしゃっていました。

http://www.yamaneko.org/bookdb/int/mwidmark.htm

ラッセとマヤのたんていじむしょ ダイヤモンドのなぞ ラッセとマヤのたんていじむしょ ダイヤモンドのなぞ
作:マッティン・ビードマルク ヘレナ・ビリス / 絵:マッティン・ビードマルク ヘレナ・ビリス / 訳:枇谷 玲子出版社:主婦の友社絵本ナビ

Q. 極端に日が短く、暗い北欧の冬を、子どもたちはどんなふうに過ごしているのですか?

私はスウェーデンで生まれたので、厳しい冬には慣れています。でも今年(2010年)の冬は特に激しい豪雪に見舞われました。私の家の庭ではこれくらい(胸くらいの高さまで手をあげて)の高さまで雪が積もったんですよ。冬はマイナス25度にもなります。

スウェーデンの冬は厳しいんです。過ごし方は2通りあるでしょう。スキーをしたり、アイスホッケーをするなど、楽しみ方を見出すか。もう一つの解決策は冬をとにかく4ヶ月間忌み嫌い続けること。スキーをすれば、雪と触れ合う機会を得ることができます。それ以外に、その状況を嫌うという選択肢もあるのです。15年前までは、スウェーデンに住むのは嫌だなあと考えていました。日本みたいな場所に住みたいって思っていたんです。でもね、スキーをするなど、いろんな手立てがあるって気がついたんです。15年前、息子のヨハネスが生まれた頃、スキーを始めました。私個人としては、夏はスウェーデンで過ごして冬は別の国に行ければどんなにいいかと思っていたのです。でもヨハネスが生まれ、このままじゃいけない、何とかしなきゃって気がついたんです。ヨハネスもカイサも冬嫌いでしたから。

冬を愛する人達も気持ちは、今もまだ完全には分かりませんが少しずつ分かり始めているところです。でもスウェーデンの冬が恐ろしく寒いのは確かです。

でも物を書くにはスウェーデンはうってつけの場所です。スウェーデンには春、夏、秋、冬と四季があります。そしてどの季節もそれぞれ非常に異なる顔を見せてくれます。このような変化に富んだ四季により、スウェーデン人の特性が養われたと言う人もいます。

私の場合は夏と冬に一番創作意欲を駆り立てられます。冬に小さな家の窓から雪景色をながめていると夏を舞台にした素晴らしい話が思い浮かぶんです。なぜなら、私の意識は空想の世界へと羽ばたいていくからです。また、夏になると、冬のよさが分かるようになります。他の季節を夢見るのは、詩を書く上で、とても良い方法だと思います。

恐らくアストリッド・リンドグレーンも同じだったのではないかと思います。彼女は自身の幼少期について物語を書いています。でもリンドグレーンは生まれ故郷を去り、首都ストックホルムに住んでいたはずです。妊娠を機にストックホルムに移住したんじゃなかったっけな。でも彼女は幼少期のことを懐かしみ、物語りにしたのです。そういう意味で、四季があるのはいいことだと思います。優れた作家というのは、何かにこがれるものなのです。例えばラブレターにしても、相手の女性のことを思い、恋焦がれているからこそ、良い文章が書けるのではないでしょうか? それと同じだと思います。

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北欧の作品には移り行く四季の中での自然の姿を描いたものが多くあります。

エレンのりんごの木 エレンのりんごの木
作・絵:カタリーナ・クルースヴァル / 訳:ひだに れいこ出版社:評論社絵本ナビ
りんごのえほん りんごのえほん
作:ヨレル・クリスティーナ・ネースルンド / 絵:クリスティーナ・ディーグマン / 訳:武井典子出版社:偕成社絵本ナビ

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こういう本が日本でも翻訳されているのは、日本人が北欧の人達と同じく四季を感じ、慈しむことに敏感だからだと思いました。「旬」という日本語特有の言葉の存在や季語が俳句などに使われてきたことからもそのことがよく分かります。http://www.aeonet.co.jp/school/1513/school_now/201411/277245

 

また日本で出されている北欧ミステリには、雪景色を表紙にしたものが多いですね。このことは日本人の四季を感じたいという欲求のあらわれなのかもしれません。

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出典(Kilder):amazon.co.jp

ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん トマトのまき ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん トマトのまき
原作:さくら ももこ出版社:金の星社絵本ナビ
ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん にんじんのまき ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん にんじんのまき
原作:さくら ももこ出版社:金の星社絵本ナビ
そらまめくんのベッド そらまめくんのベッド
作・絵:なかや みわ出版社:福音館書店絵本ナビ
ソフィーのやさいばたけ ソフィーのやさいばたけ
作:ゲルダ・ミューラー / 訳:ふしみ みさを出版社:BL出版絵本ナビ

娘が食べものに興味があるのもあり、最近家族でシェア畑というサポート付き農園の区画を借りて、野菜づくりをはじめました。デンマークにもこれと似たコロニーヘーヴェ/ヴという市民農園があります。(カタカナ表記はいつだって難しいですね。意見は人によってばらばらです)

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スーパーではほぼ一年中様々な種類の野菜が手に入ります。野菜を育てることで旬というものを少しずつ意識できたらと思います。

絵本を使って、今育てている野菜がどんな歴史をたどってきて日本で栽培されるようになったのか、どんな風に育て、調理すればいいのか学ぶのはとても面白いです。

http://www.ruralnet.or.jp/ehon/ia/

ハクサイの絵本 ハクサイの絵本
作:わたなべえいえつ / 絵:みねぎしとおる出版社:農山漁村文化協会(農文協)絵本ナビ

 

ダイコンの絵本 ダイコンの絵本
作:佐々木寿 / 絵:土橋 とし子出版社:農山漁村文化協会(農文協)絵本ナビ

また寄せ植え作りにもチャレンジしました。

庭をつくろう! 庭をつくろう!
著:ゲルダ・ミューラー / 訳:ふしみ みさを出版社:あすなろ書房絵本ナビ
リネアの小さな庭 リネアの小さな庭
作:クリスティーナ・ビョルク / 絵:レーナ・アンデション / 訳:山梨幹子出版社:世界文化社絵本ナビ
フローラのにわ フローラのにわ
作・絵:クリスティーナ・ディーグマン / 訳:ひしき あきらこ出版社:福音館書店絵本ナビ

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心が癒されました。

読んで下さってありがとうございました。

富山県石川県子どもの本散歩②

富山市科学博物館に行きました。

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参考:ノルウェーの化石研究の本 http://reikohidani.net/1133/

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富山の自然の美しさに驚かされました。

実際に見た海も緑もとてもきれいでした。

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夏休みのよい思い出になりました。

参考:夏休みの思い出を描いた読み物 http://reikohidani.net/1016/

北欧の自然が描かれた作品 http://reikohidani.net/1122/

 

子どもと自然、動物の関係が示された作品 http://reikohidani.net/1293/

http://reikohidani.net/1187/

都会に戻ってきて、緑の少なさに意気消沈していたところ、こんな本に心を慰められました。

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スウェーデンのクリスティーナ・ビョルクさんとレーナ・アンデションさんの『リネアの小さな庭』、『リネア―モネの庭で』、『リネアの12か月』(世界文化社)です。

リネアの小さな庭 リネアの小さな庭
作:クリスティーナ・ビョルク / 絵:レーナ・アンデション / 訳:山梨幹子出版社:世界文化社絵本ナビ

この本のポイントは主人公のリネアが都会っ子であるところだと思います。田舎に移住せずとも緑を取り入れることで、灰色の都会の暮らしに彩りを加えられることが示されています。

部屋に植物を飾ったり、

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箱庭をつくったり、

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押し花や押し葉をつくったり――。

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レーナ・アンデションさんは単独で『マーヤのしょくぶつだより』(小峰書店)も描いてらっしゃいます。

『マーヤのダイアリー』(小峰書店)という素敵な手帳も出されています。

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お隣ノルウェーのオーシル・カンスタ・ヨンセンさんも、その作品の中で、遊び心や創造力によって、日常生活がたちまちきらきらした喜びに満ちたものに変わることを示しています。オーシルさんの暮らすベルゲンはノルウェーで2番目に大きな都市ですが、森がたくさん残されています。昔を懐かしんで現代の生活を憂えるのではなく、都会の中にある自然をいつくしみ、日常を楽しむヒントを示してくれるところがオーシルさんの作品の魅力だと思います。

(ベルゲンの町)

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(オーシルさんの『キュッパのアルバム--ぼくのすべて』より。「自然の宝物」と書かれています)

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出典(Kilder):”Kubbes album om alt”, Åshild Kanstad Johnsen, Gyldendal Norsk

オーシルさんはデジタル・メディアなど新しい技術も作品に柔軟に取り入れる、伸びやかな感性の持ち主です。

http://www.grafill.no/avb/vinnere/2014/tekst/arets-vakreste-digitale-bok/(オーシルさんがGrafillの一年で最も美しい賞を受賞したデジタル絵本、『キュッパと影絵劇』)

絵本を読んだ後で、町を歩いてみると、私の暮らす首都近くの町にも実はわずかに緑が残されていることに気付かされました。車が一杯通っていて子ども達の遊ぶ場所が少ないこの町に嫌気が差しかけていましたが、少し気持ちが明るくなりました。

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自然の中を駆け回る子ども達の姿が見られると同時に、通勤に時間がかからない便利さも兼ね備えた町づくりは、実現できないものでしょうか。

キュッパはフォレスト・サポーターズになったそうで、これからも動向を見守りたいと思います。

富山県石川県子どもの本散歩①

富山県の射水市にある大島絵本館に行きました。

入り口の様子です。

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受付とショップ。絵本『ママ!』でお世話になった高畠那生さんや松成真理子やサトシンさん、よしながこうたくさん、西村敏雄さんなどの絵本が一杯です。

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絵本館ではマグちゃん通信という冊子も作っているようです。様々な作家さん、画家さんの講演会が行われているようです。

1階ライブラリー。

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大型絵本、しかけ絵本もありました。工夫に満ちた展示。

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『どうなってるの? きかいのなか』(ひさかたチャイルド)もありました。

どうなってるの? きかいのなか どうなってるの? きかいのなか
文:コンラッド・メイスン / 絵:コリン・キング / 訳:福本 友美子 / 監修:稲見辰夫(元全国工業高等学校長協会理事長)出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ

 

かこさとしさんの作品展も行われていました。かこさとしさんは同じ北陸の福井県出身です。

 

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1階パフォーマンスホール。作品展示などが行われる場所のようです。

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2階のワークショップではとっても安く様々な種類の工作ができました。係の方の説明も親切で丁寧であたたか。1時間以上夢中になって作業する娘。

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隣はCGワークショップ。パソコンで絵を描いてグッズをつくれます。

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館員の方々の絵本愛を感じさせられる施設でした。マグちゃん通信でスタッフの方がそれぞれの絵本観を語ってらっしゃいます。ぜひ読んでみて下さい。

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石川県金沢市の書店、チルクリにも行きました。保育所の目の前という好立地。同じ建物の中には英語教室と料理教室もありました。

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『イヌのいいぶん ネコのいいわけ』(福音館書店)を薦めていただきました。

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板橋区立美術館夏の教室

板橋区立美術館の夏の教室に参加しました。個人的に絵本について感じたこと、考えたことを書いてみたいと思います。ご関心ある方はおつきあい下さい。

今回のお話はどれもとても面白かったのですが、私の心に特に響いたのはフィリピンのミンダナオで子ども図書館を創設された松居友さんのお話でした。とにかく衝撃的でした。

松居さんは笑いながらこうおっしゃるのです。絵本は国境を越えるのか、というのが今回の講座の題目みたいだけど、国境なんて人間が勝手につくったものじゃありませんか? 渡り鳥が空を飛ぶのにパスポートに判子を押してもらうんですか? 大人はありもしないものを勝手に作って、「国境を越えるのは難しい~」なんて悩むんですね。可笑しいですね。

松居さんはさらにこうおっしゃいます。ミンダナオの子ども達は皆、それぞれの物語を持っている。絵本がなくても、人から人へと物語が語り継がれているのだと。お話の生きている社会、語りのある世界、絵本がなくても語るのが当たり前の社会、超自然的なものがいると大人も子どもも信じていて、遊びの世界が巷に生きている社会が今も存在するのだと。大人達が他人の子だろうと自分の子だろうと関係なく、子どもの成長を見守る社会。子ども達が自然の中で駆け回り、たくさんの会話を交わし、笑い合う姿を、周りの大人が喜びをもって受け止める社会。困った人がいたら当然のことのように助ける社会。「煩わしい」、「迷惑」そんな寒々しい言葉が飛び交う今の日本の社会とは対極にあるように思えました。

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しかしそんな地に紛争が起きてしまいます。紛争で傷ついた子ども達が松居さん達のストーリーテリングで笑顔を取り戻す映像を見て、絵本の力を再確認することができました。(出典:http://www.edit.ne.jp/~mindanao/documentarysite.html)

松居さんは日本はこんなにも豊かなのに、子どもの自殺率が高い、日本の子ども達の心の貧困の問題をどうにかしなくてはならないともおっしゃっておられました。

子どもに幸せな日々を送って欲しいと思うのは親としてごく自然な感情に思えます。でも今の日本、特に都会で暮らす子ども達は幸せなのでしょうか。そんなことを考えて、時々胸がしめつけられます。かといって今の便利な生活を手放すことはなかなかできないでしょう。混沌とした思いに1つの答えを下さったのが福音館書店の編集者、唐亜明さんのこんなお話しでした。

絵本は都市化、工業化した社会でこそ生きてくる。例えば水牛が身近にいる村で暮らす子ども達は絵本で水牛を見るより、実際乗ってみた方がいい。しかし表に出たら車がびゅんびゅん走っていて遊び場がない、自然がない、そんな近代化した社会に暮らさざるをえない子ども達もいる。そういう子達が絵本を読むことで例えばモンゴルの大草原を知ることができる。生活水準がある程度のところまで達しないと絵本というのは生きてこない。その国の経済がある程度発展しないと絵本は発展しない。絵本は都会の文化から生まれたものだと。農業的な社会で生きられない子ども達に向かって主に絵本は作られているのだと。

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参考:http://reikohidani.net/1187/(デンマーク、イブ・スパング・オルセン、子どもと自然、遊び環境について)

ボタ山であそんだころボタ山であそんだころ絵本ナビ

 

トヤのひっこしトヤのひっこし絵本ナビ

ブロンズ新社の若月眞知子さんのお話も印象的でした。日本国内だけでなく外国での翻訳出版も視野に入れて活動されているアクティブな出版社さんという印象を受けました。ボローニャ・ブックフェアなどでの海外の出版社との交流を通して多くのことを吸収し、前向きなエネルギーへと変えてらっしゃる方だと思いました。

コープロ

夏8

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私が一番大好きな絵本の翻訳は『リサとガスパール』の石津ちひろさんによるものです。

リサのいもうとリサのいもうと絵本ナビ

初めて書店でその絵本を読んだ時、素晴らしすぎて一瞬、私の中で時が止まりました。単なるキャラクターものととらえる人もひょっとしたらいるのかもしれませんが、私にはそうは思えません。子どもの目線におりた文、イラスト、そして石津ちひろさんの生き生きとした素晴らしい訳文が私は大好きです。こういう訳文を書けるようになるのが私の夢です。

若月さんのお話をうかがってこういう妥協をしないこだわりのある方が営んでいる出版社だからこそ、こんなに素晴らしい作品を日本に紹介できたのではないかと思いました。また各国の絵本の発展はその国の経済状況に大きく左右されるものだということも分かりました。

ボローニャ・ブックフェアをきっかけに海外と日本両方で絵本を発表しておられるよねづゆうすけさんお話も私に多くのことを教えてくれました。(出典:http://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=26、http://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=168)海外と日本のニーズの違いもあるようですが、スイスの編集者さんからもらったアドバイスを非常に前向きに受け止め吸収し、自分のものにする--とても難しいことに思えますが、それを素でできてしまうところがよねづさんのすごいところで、支えてあげたい、もっと彼の作品を伝えたいと編集者さんが思われたのがよく分かる気がしました。

りんごはいくつ?りんごはいくつ?絵本ナビ

 

のりもの つみきのりもの つみき絵本ナビ

 

にじいろカメレオンにじいろカメレオン絵本ナビ

 

あいうえおあいうえお絵本ナビ

他にも広松由希子さん、三宅興子さんの素晴らしいお話も聞くことができました。詳しい内容は板橋区立美術館HPに掲載されているようです。参加者の方達ともお話できて嬉しかったです。とても充実した2日間でした。ありがとうございました。

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板橋区立美術館しかけ絵本のワークショップ

板橋区立美術館しかけ絵本のワークショップに3日間参加してきました。
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講師は『サンドイッチ いただきます』(ポプラ社)が2015年 IBBY障害児図書資料センター 推薦図書に選ばれた岡村 志満子さんです。

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美術館内の書店では先生の絵本も販売されていました。娘が気に入ったのは、『フルーツケーキ いただきます』。特に女の子に人気で、講座終了後、書店に積んであった本はたちまちなくなってしまいました。先生からサインもいただけました!

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出典(Kilder):ポプラ社のHPより
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講座は子どものみ参加なので、その間館内のカフェで仕事。壁にはボローニャ絵本原画展やその他児童書の情報が一杯! 夏は絵本のイベントが目白押しですね。

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ノルウェーの作品がボローニャ国際原画展でSpecial mentionに選ばれたのですね。

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2階の展示会場で『どうしてぼくはここにいるの?』( “HVORFOR ER JEG HER?” )の絵本も読むことができました。
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出典(Kilder):Magikon社のHPより

画家のAkin Duzakinさんのブログで画像をたくさん見ることができますのでぜひ見てみてください。
『むこう岸には』(ほるぷ出版)を思わせるテイストの、哲学的で根源的な問いに満ちた素晴らしい作品です。

他にも『ハエのアストリッド』のマリア・ヨンソンさんの『遠くから来た女の子』(Flickan från långt borta)の原画も展示されていました。
こちらのサイトで本の中身が少し見られます。

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出典(Kilder):評論社のHP、Bonnier Carlsen社のHPより

他にデンマークのRasmus Brenghøjの『イブ・マッセンのおはなし』(Historien om Ib Madsen)

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(こちらのサイトで中身を見られます)

スウェーデンのKarin Eklundの『なかよくなれるかな』(Fitting in)なども見つけることができました。

Karin Eklundさんはきっと日本にいつか紹介される画家さんでしょうね。こちらの作品などとても素敵で、うっとりさせられます。

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出典(Kilder):http://karineklund.com/portfolio-page/curiosity-cabinet/

こちらも素晴らしいです。http://karineklund.com/my-first-orchestra-app-post/

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出典(Kilder):
https://itunes.apple.com/gb/app/my-first-orchestra-app-hd/id568583429?mt=8
http://karineklund.com/my-first-orchestra-app-post/

日本にいながらボローニャに行った気分を味わえました。

できあがったしかけ絵本は持ち帰って部屋に飾っています。とても貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。

今回の展示には入選していませんでしたが、過去にボローニャに入選した北欧の画家さんのうちノルウェーのオイヴィン・トールシェーテルさんは特に素晴らしい画家さんです。邦訳に『なぜイヌの鼻はぬれているの?: ノアの箱舟のふしぎな話』(西村書店)、『穴』(ワールドライブラリー)があり、未訳絵本もたくさんあります。

2014年の9月~フランクフルト・ブック・フェア会場近くの美術館でショーン・タン、しかけ絵本『オセアノ号、海へ! 』が有名なアヌック ボワロベール&ルイ リゴーらの作品とともに展示が行われました。オイヴィンさんは国際的にも評価されている画家さんです。

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出典(Kilder):http://www.museumangewandtekunst.de/en/item/id/152

未訳書はたくさんありますが、特にお薦めなのはこちらの作品です。

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出典(Kilder):https://www.cappelendamm.no/_barn-og-unge/bildeb%C3%B8ker/vaffelm%C3%B8kk-tore-renberg-9788202408336
http://rosinante-co.dk/historien-om-ib-madsen-id34889

https://books.google.co.jp/books?id=-njkAgAAQBAJ&lpg=PT3&dq=historien%20om%20ib%20madsen&hl=ja&pg=PP1#v=onepage&q=historien%20om%20ib%20madsen&f=false

http://karineklund.com/
http://karineklund.com/portfolio-page/curiosity-cabinet/