文学フリマ出店報告

文学フリマ東京出店しました

出店のきっかけ

2019年11月の文学フリマ東京に『北欧フェミニズム入門』の屋号で初出店しました。

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文学フリマのことを知ったのは、Readin’ Writin’さんで『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』のイベントを開いていただいた時に出会ったテキストレーターの亀石みゆきさんとの出会いがきっかけです。

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朝日新聞telling,より)

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ひるねこBOOKS通販サイトより)

亀石さんと一緒に本屋さんのイベントに行くようになってから、彼女がZINEを作って、文学フリマで売った後、書店さんに置いてもらっているのを知りました。自分で本を作って書店さんに置いてもらっているって格好いいなあ…そんな好奇心が文学フリマ出店のきっかけです。

しかしどうやって同人誌を作ったらいいか…全く分からず第一歩を踏み出せない。亀石さんがお友だちとして作り方を教えてくださるとのことでしたが、そんな大切なノウハウをいただいてしまってよいか迷っていたところ、私も彼女もお世話になtっているReadin’ Writinさんで『文学フリマへの道』という講座を開いていただくことになりました。

文学フリマへの道

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第1回(左クリックすると詳しいレポートが出てきます)は飯塚めりさん。全回、亀石さんとの対談形式で行われました。

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第2回は文フリから何と千部売り上げたことで話題の『かわいいウルフ』の小澤みゆきさん。小澤さんはその後数々の文芸誌で論考を書いている文フリから出たスターの1人です。

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(小澤さん執筆活動より)

参考:マガジン航 インディペンデントな文芸同人誌を作ってSNSで売るということ――『かわいいウルフ』製作日誌

小澤さんの文フリへの道の報告は書いていないのですが、彼女のNOTEにかなり詳しくノウハウが載っていますので文フリに出たい方は読んでおくとよいかも。

無名同人サークルがヴァージニア・ウルフ同人誌を一ヶ月で500冊売った話(前編)

無名同人サークルがヴァージニア・ウルフ同人誌を一ヶ月で500冊売った話(後編)

 

第3回は食と性に関するミニコミ誌『食に淫する』の餅井アンナさん。

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第4回は僕のマリさんでした。

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https://twitter.com/trylleringen/status/1175975770260271104

https://twitter.com/trylleringen/status/1175980215035523072

https://twitter.com/trylleringen/status/1180683026818195456

文フリ当日

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私が作ったのは『北欧フェミニズム入門』というブックガイド&エッセイでした。北欧のフェミニズム書籍のブックガイドです。出版翻訳の仕事について、本の仕事で身を立てる難しさについても書いています。

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(目次)
はじめに
翻訳は主婦の小遣い稼ぎ?

第1部 フェミニズム運動が求めてきた権利1 教育を受け、職を持ち、自分でお金を稼ぐ権利

トーヴェ・ディトレウスン 毒/結婚

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年上の編集者
親を責めるのはやめよう
モニカ・イサクストゥーエン 動物に優しくしなさい

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HSP(敏感すぎる人)日記

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北欧の児童書で、子どもの進路と幸福を哲学する

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ダイバーシティとしなやかさ
ペーテル・エクベリ 自分で考えよう
ワンオペ育児するのが、ママじゃなくてパパだったら? アンネ・カット・ヴェストリー Z棟のアウロラ

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第2部 フェミニズム運動が求めてきた権利2 参政権

スウェーデンの哲学入門書を読みながら、衆院選を振り返るーー自分で考えようーー

フェミニズムにまつわる典型的な疑問

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ハンス・ロスリング 世界を正しく理解する

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サッサ・ブーレグレーン 北欧に学ぶ小さなフェミニストの本

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マリアンナ・コルーダ・ハンセン 不安

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グレタ・トゥーンベリちゃんの怒りと大人の責任 ハンス・ロスリングがやろうとしていたこと
ロン・リット・ウーン きのこのなぐさめ

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第3部 フェミニズム運動が求めてきた権利3 身体の自己決定権

伊藤詩織さんと北欧のトーク番組スカーヴラン

北欧の性教育の絵本と日本の性教育
カーレン・ブリクセン父の自殺と夫の浮気

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カーレン・ブリクセンとアフリカの日々

カーレン・ブリクセンとピサへの道、七つのゴシック物語
赤ちゃんはどうやってできるの?
マリアンナ・コルーダ・ハンセン 金曜の夜、スーパーマーケットで
ベニー・アナセン あなたの顔の顔
北欧になら私を助けてくれる人がいるかも?
シューアン・ウルリック・トムセン 生きている
(2刷のみ)祭りの後

https://twitter.com/trylleringen/status/1198396151289892864

当日はひるねこBOOKSさんの原画展で知り合った坂口友佳子さんが一緒に販売をしてくださりました。

文フリに出てよかったこと

①コスト感覚が少しずつ身に付く。……以前なら持ち込んでカラーはちょっと、と言われても、えー、なんでよ~、と口を尖らせていたが、カラーと白黒の値段の違いがわかった今は、た、確かにそうですよね、と素直に思えるようになった。

② 自分で作る本だから好きなイラストレーターさんにお願いできる。人に依頼する難しさも知った。

参考:こちらの本めちゃくちゃ役に立ちます。『同人誌デザインの依頼の仕方がわかる本』

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https://booth.pm/ja/items/839521

③ 本をもっと好きになった。文章をネットで出すのと本で発表するの、変わらないのでは? と思っていた私だけど、束ねることで生まれる”何か”が見えた気がする。

④全体打ち上げに参加して、家庭のある方で同人誌を作っている人も多くいることを知りました。自由になった気分!

参考:『自分の時間を求めて』 お隣のブースのちゃぶ台返し女子アクションさんの同人誌。いかに日本の女性の余暇時間が少ないか。

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参考:『同人ママの生態調査』家事の合間に家族の目を盗んで同人活動するママ達

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孤独をいやす文フリ

文フリで知り合った人たちは書くのが好きな人、書くのが当たり前の人でした。ものを書いている人たちと友だち、知り合いになれたことは私にとって大きな宝です。

私がはじめての訳書を出したのは大学四年生の時でした。無邪気に喜ぶ私に周りの反応は様々でした。今に比べて当時は個人がたとえ翻訳であろうとなにかを世に発信するということ、企業に勤める以外の働き方をすることへの抵抗感が強い時代でした。そこから友だちや周りの人に仕事の話はあまりしなくなりました。でも翻訳は私の一部で自分が自分でなくなっていくような、孤独感や焦燥感が深まっていきました。

文フリに出る人たちは、みんな書く人ばかりで、書くのが当たり前。書きたい自分を隠さなくていい空間でした。ものを書きたい気持ちをこそこそ隠さずに済む空間にいられたことで、私は私として生きていっていいんだと思えるようになったのでした。自分を押し殺して生きてる人たちに、この喜びを味わってほしいと感じています。

赤字?

お金の話でいやらしいですが、印刷代、イラスト代を支払っても手元にお金が残りました。赤字が出ずよかったです。あと自分の訳書もかなり売れました。

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今2刷がほぼ手元からなくなりまして、これから3刷をすればさらに収益は伸びていくと思われます。印刷所は1刷は手取り足取り親切で納期が短くてもOKだった栄光さん、2刷は印刷の質が高く、値段が安いちょ古っ都製本印刷さんに頼みました。

栄光さんの直接搬入が面白かったです。当日、文フリの私のブースのテーブルのすぐ下に段ボールがどーんと置いてあってびっくりしました。便利です。直接搬入のことはこの本にイラストで説明が載っていてわかりやすいです。

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参考:『同人誌をつくったら人生変わった件について。』とても面白いです。初心者はこの本を読むとかなりしくみが分かります。講座もあるよう。実際につくった同人誌を講座で数冊もらえるみたいです(「最後の講義では第4回で入稿した同人誌を3冊お渡しする予定です(印刷費用は受講料に含まれます)。」とあります)。いいなあ。

同人誌を本屋さんに置いてもらう?

出店当日声をかけていただいたり、もともと知り合いだった本屋さんや、その後書店イベントなどで直接私からお願いした本屋さん何店かで『北欧フェミニズム入門』を扱ってもらうことになりました。本屋さんに直接お願いしてみると置いてもらえることも多いようです。私はまだ置いてもらっていないのですが、中野のタコシェさんは特に同人誌の販売に力を入れているようです。

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(お取り扱い店舗)

ひるねこBOOKS(東京 谷中)本好き、北欧好きには外せないお店。ネットショップも充実。発送細やか、丁寧、早いです。amazonで検索する前に1回BASEでぜひ検索してみてください。装画を描いてくださった坂口友佳子さんと知り合えたのも、ひるねこさんのおかげです。クリエイターの強い味方です。魅力的な展示もしています。北欧関係のZINEも一杯あります!

Readin’ Writin BOOKSTORE東京 蔵前)店主の落合さんは元新聞記者さん。スポーツの記事を書いていた方なのですが、視点がとても面白いです。このお店が文壇、本好きの人達の出会いの場になってきているように思えます。私もこのお店でお友だちができたので、皆さんにもお勧めしたいです。読むことと書くことは繋がっています。書くことの喜びを知れたのは、落合さんが誰だって書けるよといつものおおらかな笑顔で背中を押してくれたからです。書くことで私の人生が一歩前に進んだような気がします。

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『こんなことを書いてきた』落合さんの著書。なぜスポーツ記者だった落合さんと主婦の私の関心が重なるのか理由が分かってびっくりした本。こんな視点があるのかあ。

H.A.B(東京 蔵前)このお店は店主の読書会で知りました。H.A.Bさんは強みは一杯あるのでしょうが、私が持っている印象としては、特に海外文学の品ぞろえがいい、特にフィクションの大変な読書家なんだろうなということです。多分もっといろいろ強みのある書店さんなので探ってみてください。

☆Readin’ WritinさんとH.A.Bさんはとても近いです。はしごをお勧めします。

Pebbles Books(東京 小石川)本屋に興味がある方で、店主の久禮さんを知らない方はいないのではないでしょうか。書店員のプロです。『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』『北欧に学ぶ好きな人ができたら、どうする?』で久禮さんが他に担当している神楽坂モノガタリさんでお世話になりました。

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参考:『スリップの技法』久禮さんの仕事術。書店員であるということ。他の職業の人も仕事への向き合い方、アイディアをどうやって膨らませるか考える上で役に立つ本です。

双子のライオン堂(東京 赤坂)様々な試みを行っている業界のエジソンで優しいライオン。オリジナルの本も出しています。WEBショップもあります。文フリにも出店していました。ラジオにもよく出ていて、私はリスナー、ファンです。この間の渋谷のラジオも面白かったなあ。

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本屋B&B(東京 下北沢)昨年「文フリに行けなかったのが悲しいので、行った人に戦利品を見せてもらいたい会」が超楽しかったB&Bさん。またお願いします! 店主の内沼さんの本も面白かったです。

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SUNNY BOY BOOKS(東京)私の愛する『ヒロインズ』やカナイフユキさんの作品にもかかわっている書店さん。ネットショップも充実。

CHIENOWA BOOKSTORE(埼玉 朝霞駅中)埼玉にもこんな格好いい本屋があるのです。埼玉の星。フェミニズムの本フェアも開いてくださいました。循環経済を思わせる地域連携の取り組みも行っています。アイデアマンなさわやか店主。

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