『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』浦和第一女子読書会

2018年9月22日YAA! カフェとして、『読みたい心に火をつけろ!』(岩波ジュニア新書)の木下通子さんが司書をしている埼玉県の浦和第一女子さんで、『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』の読書会が開かれました。

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この本のよさに気づいてくださったYAA! の皆さんが、木下通子さんにお話を持っていってくださったようです。 (木下通子さんについての記事) https://mainichi.jp/articles/20170706/ddm/008/070/103000c https://mainichi.jp/articles/20180217/ddl/k11/040/146000c https://www.youtube.com/watch?v=yLonkRusAAs dokusyokai2 dokusyokai dokusyokai3 dokusyokai4 dokusyokai5 dokusyokai6 読書会にはYAA! に属する司書の方達、浦和第一女子高校の生徒の皆さん、前回のイベントにも参加されていた自由の森学園の生徒さん、YAA! に参加したことのある女子高生の方、新聞社の記者の方、『読みたい心に火をつけろ!』や私の大好きな『しあわせに働ける社会へ』などの編集をされていて女性学を大学で学んだ編集者の方、浦和第一女子の父兄の方、他の図書館司書の方達などが参加をされていました。中には木下先生に注目をされていて、遠方からはるばるいらしていた司書の方もいらっしゃいました。 siawasenihatarakerudaremoboku 会では ・男女混合名簿について ・自分の子どもを男女分け隔てなく育てようとしても、男だから、女だからという社会の圧力から子どもを守りきれないこと ・女の子も経済力を持つようにと娘に言っても、娘がそれに反発することもあること ・『自分で考えよう』と本作とのつながり jibun ・子ども達が自分達で議論し、話すことで考えを深める北欧の子ども達について ・本の中でもう少し教育現場の具体的な例が出てくればよかったのではないかということ ☆教育現場の具体的な例は、同じ作者の『フェミニズムは現在進行中』に出てきます。日本の事例を加筆したものを出版をしてくださる版元様、ぜひご連絡ください。

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試訳 ・学校教育の現場では比較的男女平等。子ども達に今この本を手渡す必要があるのか。どう伝えたらいいか? ・公務員も比較的男女平等。本を手渡す自分自身が女であることによるハンデを感じたことがあまりないこと (→枇谷私見 私の通っていた女子高校も企業で働いたことのない先生がほとんどで、女性の職場差別について肌身で経験したことがある人は少なかったように思えます。偏差値教育偏重の女子校出の私は、大人になった今ではそういった世間のしがらみを隠すのではなく、実際の体験談をあらかじめ知ることができ、どうしたらいいか考えられたら、もう少し大人になった時にショックを受けず、対応できたのではないか、と後悔しています。難関女子高校の先生方は勉強ができて、自主自立を目指す女の子を尊んでくださいますが、企業や世間、男性は必ずしも価値をおき、評価してはくれません。有名大学進学率を上げることで生徒が集まる面もあるでしょうから、学校からするとこれは不都合な真実でしょう。それなのに、この本を受け入れてくれた浦和第一女子高校の皆さんの度量の大きさに敬意を表します。 先生達自身が社会との接点を多く持ち、それを子ども達に伝え、また北欧で作家による学校訪問が盛んに行われているように(国から補助金が出ます)外部の人達も積極的に受け入れる学校づくりをしている学校が増えれば、私のように「勉強なんてしなければよかった」「勉強しても社会で評価されるとは限らない」などと今勉強の最中の高校生の前で宣う人間を輩出せずに済むのではないでしょうか。 参考:将来に希望を持てない若者が約4割! 日本のキャリア教育の役割とは? また金銭教育、お金を稼ぐことを学校教育で教えることの大切さを切に感じました。 (参考:現在校正中。ノルウェーの金銭教育の本) hvaer 有名難関大学に進学するよう一様に子ども達に指導することが本当に子どもにとってよいことなのか、人間の生き方は実際には多様であり、子ども達にも多様な選択をとる自由を保証するべきではないか、生きるとは何か、働くとは何か、もっと子どもとともに考え、何のために大学に行くのか、今の時代に女子校がいまだに存在すること(デンマーク人の方からデンマークには女子校はもうすでにない。法律で禁止されていると聞いたのですが、他の北欧諸国でもそうか調べきれていません)、偏差値教育を続けることがジェンダー的に公正なのか、日本経済の発展に役立つのか、人々の幸福度の向上という観点ではどうなのかなども、学校だけでなく社会で議論をするべきことに思えました。学校と社会は合わせ鏡です。 先生方や親御さんにも学歴差別を自分達がしていないか、学歴で人間を判断するような偏った思想を子ども達に知らず知らずのうちに植え付けていないかぜひ振り返ってみてほしいというのが生意気かもしれませんが、私の切なる願いです。「~高校のレベルは、偏差値は」といった話を子ども達にしていませんか? そんな話ばかり聞かせられた子どもは学歴差別に加担する人間になりませんか? 平等って何でしょう? 公正って何でしょうか?)。 kodomosyakai 学歴差別はあるのか?新卒採用における現状と対策 高学歴で貧困は本当か。日本のポスドク問題とは何か 男女の賃金格差 kougakurekijyosi njyo koru guruntovi hoejskole 参考: https://twitter.com/mitsui_publish/status/1044111180548231168 https://twitter.com/mitsui_publish/status/1044120358415208449   minnnanokyouiku   学歴差別をされて嫌な思いをしている人達の存在を知ったのは、ウーマンラッシュアワーの村本さんのお話をAbema TVで聴いてからでした。それを知って自分は何て傲慢な人間だったんだろうと思い知らされました。そして実際、高校生の時、進学校に入れた自分は頭がいいんだ、レールから外れずこのまま真面目に頑張ればエリートになれるかもしれない、と奢っていた自分が嘘のように、今の私は社会で大した活躍はできていません。 今私が訳しているデンマークの幸福研究の本も早く皆さんに読んでほしいです。 hyugge lykkenunder 参考:デンマーク自分らしい学びかた、働きかた、生きかたを考えるHappiness(ハピネス)&Hygge(ヒュゲ)の旅 (注:幸福研究の作者がツアーでお話をするだけでツアーと私は無関係です。)   ・『このTシャツは児童労働に作られました。』のような本に高校生個人が興味があっても、タイトル、表紙デザインなど諸々の理由から、実際に高校生がなかなか手にとらないのではないか? konotsyatu ・学校教育にどの程度子ども達の意志が反映されているか? ・今回の本はどうしたらもっと高校生に届くのか? 表紙デザイン、タイトル、イラストと文字の割合、コンセプトの打ち出し方、フィクションとノンフィクションどちらが伝わりやすいか、それぞれの効果などについて高校生に案をだしてもらいました。 →題名にフェミニズムと突然くると身構えてしまうなどの意見も。 nihonnoyabai1 『日本のヤバい女の子』 (好例として高校生が例にあげてくれた作品)   『ヒトラーとくらした少年』 hitora blackbox kimino ・司書さんによる本紹介 sekaiwokaetadokusyo

・浦和第一女子さんの模擬選挙のこと

参考:社会科における主権者教育(浦和一女さんも登場します)

(最後高校生の皆さんが感想を発表してくださいました)

・生徒会活動を通して変えたいと思ったことがあっても、なかなか変えられないという経験をしたことがある。1人1人が変えよう、変えられるんだという意識を持つことが大切なのではないか?

・ネットニュースなどで自分の好きな情報だけを見られることが、投票率の低さにつながるのでは?

・情報を選ぶことの大切さ。

・考えていなかったようなことを知れて刺激を受けた。

途中高校生の方から翻訳の仕事について質問されましたが、私は自信をもって翻訳家を目指してくださいと言えませんでした。

翻訳は主婦の小遣い稼ぎ? 北欧語翻訳者が #フリーランスが保活に思うこと イベントに参加して

大学教育は生き延びられるのか? – 内田樹の研究室

 

私も就職活動の時、大人(主に女性)にその方達がついている職業につくにはどうしたらいいか、と質問した経験がありますが、その答えは意気揚々としたものではありませんでした。子ども達に自信を持って、自分が今ついている職業をすすめられるような社会をつくるためにこれからも発信を続けます。そうでないと、エッバのおばあちゃんのように、私は私にできることをした、今度はあんた達の思うようにやってみなさいと胸をはってバトンを渡すことはできない。今の自分をとても情けなく思っています。

参考:

第78回ノルウェーについて学ぶサロン

「人に優しいノルウェーの働き方」
~裁判官マーリットさんに聞く~

日本男女の収入格差ハンパない!! 正社員でも差額は平均●万円!

スウェーデン、男女平等どう実現?=大使館、税制から探る討論会

北欧語翻訳者リスト

菱木晃子さんHP

大学4年生の時、大阪外大の友人達と就職の話をしていて、大人は幸せそうに見えない、自分達は就職して幸せになれるのか、不安だ、やっていけるのだろうか、と話していたところ、同じ大学で聴講生としてデンマーク語を学んでいた元社長さんだったおじさんが、「皆できているんだ。大丈夫。玲子ちゃん達にだってきっとできるよ。怖がる必要なんてない」と言ってくれたのを覚えています。私も子ども達にそう言える大人になれたらどんなにいいかと思います。

YAA! の皆さん、木下先生、高校生の皆さん、司書の方々、参加者の皆さま、本当にありがとうございました。

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