ブックトーク、身近な遊びを見つけてみよう

夏休み中、遠方に旅行に行ったご家庭も多いことでしょう。

でも学校がはじまり、放課後や休日、家の中や近所で遊ぶ生活が戻ってきました。

家の中や近くでも色々な遊びができるのではないか、そのヒントを本の中から見つけてみましょう、と出だしで子ども達に話しかけました。

最初に紹介したのは、『みぢかなやってみよう図鑑』(ひさかたチャイルド/チャイルド本社)です。

みぢかなやってみよう図鑑 みぢかなやってみよう図鑑
監修:大久保 茂徳出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ

集めたどんぐりをペットボトルに入れて楽器を作る遊びや、町の中でネコがいつもいる場所を見つけて地図にする遊び、お店の看板やスーパーの表示などに英語を探したり、野菜の切り口に色をぬってスタンプにしたりする遊びを紹介しました。

 

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またトチの実など木の実を拾って集めて飾りをつくる遊びを紹介した後で(実際近所のどの場所で見つけたのかを話すと興味を持ってくれるようでした。トチの実を子ども達に触ってもらいました)、

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『トチの木の1年』(福音館書店)を使ってトチの木がどんな木かを説明しました。家でやるのは難しいかもしれませんが、トチの実のだんごづくりに特に子ども達は興味を示していました。

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文・写真:太田 威出版社:福音館書店絵本ナビ

『モチモチの木』(岩崎書店)に出てくる木と説明すると、よりぴんとくるかもしれません。

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作:斎藤 隆介 / 絵:滝平 二郎出版社:岩崎書店絵本ナビ

また『かこさとし あそびずかん あきのまき』(小峰書店)にある落ち葉の絵作りや、スーパーのビニール袋に空気を入れてやるおすわりバレーボールなどを紹介しました。

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文・絵:かこ さとし出版社:小峰書店絵本ナビ

『リネアの12か月』(世界文化社)にある、タンポポをつかった花輪づくりや、押し花帳、押し葉帳作りも紹介しました。

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出典:http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%82%A2%E3%81%AE12%E3%81%8B%E6%9C%88-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A-%E3%83%93%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%AF/dp/4418941010

『ラウラとマリエ 三つ編み HOW TO BOOK』(文化出版局)でデンマークの子どもが考えた面白い三つ編みのやり方を見せました。

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出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4579212444

『キュッパのおんがくかい』(福音館書店)に出てくる楽器作りも紹介しました。

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http://reikohidani.net/794/

 

出典:https://www.youtube.com/watch?v=qNmWJ0jFgqg

富山県石川県子どもの本散歩②

富山市科学博物館に行きました。

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参考:ノルウェーの化石研究の本 http://reikohidani.net/1133/

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富山の自然の美しさに驚かされました。

実際に見た海も緑もとてもきれいでした。

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夏休みのよい思い出になりました。

参考:夏休みの思い出を描いた読み物 http://reikohidani.net/1016/

北欧の自然が描かれた作品 http://reikohidani.net/1122/

 

子どもと自然、動物の関係が示された作品 http://reikohidani.net/1293/

http://reikohidani.net/1187/

都会に戻ってきて、緑の少なさに意気消沈していたところ、こんな本に心を慰められました。

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スウェーデンのクリスティーナ・ビョルクさんとレーナ・アンデションさんの『リネアの小さな庭』、『リネア―モネの庭で』、『リネアの12か月』(世界文化社)です。

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作:クリスティーナ・ビョルク / 絵:レーナ・アンデション / 訳:山梨幹子出版社:世界文化社絵本ナビ

この本のポイントは主人公のリネアが都会っ子であるところだと思います。田舎に移住せずとも緑を取り入れることで、灰色の都会の暮らしに彩りを加えられることが示されています。

部屋に植物を飾ったり、

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箱庭をつくったり、

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押し花や押し葉をつくったり――。

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レーナ・アンデションさんは単独で『マーヤのしょくぶつだより』(小峰書店)も描いてらっしゃいます。

『マーヤのダイアリー』(小峰書店)という素敵な手帳も出されています。

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お隣ノルウェーのオーシル・カンスタ・ヨンセンさんも、その作品の中で、遊び心や創造力によって、日常生活がたちまちきらきらした喜びに満ちたものに変わることを示しています。オーシルさんの暮らすベルゲンはノルウェーで2番目に大きな都市ですが、森がたくさん残されています。昔を懐かしんで現代の生活を憂えるのではなく、都会の中にある自然をいつくしみ、日常を楽しむヒントを示してくれるところがオーシルさんの作品の魅力だと思います。

(ベルゲンの町)

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(オーシルさんの『キュッパのアルバム--ぼくのすべて』より。「自然の宝物」と書かれています)

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出典(Kilder):”Kubbes album om alt”, Åshild Kanstad Johnsen, Gyldendal Norsk

オーシルさんはデジタル・メディアなど新しい技術も作品に柔軟に取り入れる、伸びやかな感性の持ち主です。

http://www.grafill.no/avb/vinnere/2014/tekst/arets-vakreste-digitale-bok/(オーシルさんがGrafillの一年で最も美しい賞を受賞したデジタル絵本、『キュッパと影絵劇』)

絵本を読んだ後で、町を歩いてみると、私の暮らす首都近くの町にも実はわずかに緑が残されていることに気付かされました。車が一杯通っていて子ども達の遊ぶ場所が少ないこの町に嫌気が差しかけていましたが、少し気持ちが明るくなりました。

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自然の中を駆け回る子ども達の姿が見られると同時に、通勤に時間がかからない便利さも兼ね備えた町づくりは、実現できないものでしょうか。

キュッパはフォレスト・サポーターズになったそうで、これからも動向を見守りたいと思います。

富山県石川県子どもの本散歩①

富山県の射水市にある大島絵本館に行きました。

入り口の様子です。

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受付とショップ。絵本『ママ!』でお世話になった高畠那生さんや松成真理子やサトシンさん、よしながこうたくさん、西村敏雄さんなどの絵本が一杯です。

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絵本館ではマグちゃん通信という冊子も作っているようです。様々な作家さん、画家さんの講演会が行われているようです。

1階ライブラリー。

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大型絵本、しかけ絵本もありました。工夫に満ちた展示。

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『どうなってるの? きかいのなか』(ひさかたチャイルド)もありました。

どうなってるの? きかいのなか どうなってるの? きかいのなか
文:コンラッド・メイスン / 絵:コリン・キング / 訳:福本 友美子 / 監修:稲見辰夫(元全国工業高等学校長協会理事長)出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ

 

かこさとしさんの作品展も行われていました。かこさとしさんは同じ北陸の福井県出身です。

 

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1階パフォーマンスホール。作品展示などが行われる場所のようです。

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2階のワークショップではとっても安く様々な種類の工作ができました。係の方の説明も親切で丁寧であたたか。1時間以上夢中になって作業する娘。

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隣はCGワークショップ。パソコンで絵を描いてグッズをつくれます。

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館員の方々の絵本愛を感じさせられる施設でした。マグちゃん通信でスタッフの方がそれぞれの絵本観を語ってらっしゃいます。ぜひ読んでみて下さい。

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石川県金沢市の書店、チルクリにも行きました。保育所の目の前という好立地。同じ建物の中には英語教室と料理教室もありました。

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『イヌのいいぶん ネコのいいわけ』(福音館書店)を薦めていただきました。

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『ママ!』読み聞かせ

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  • 見返し部分には、「マ」ではじまる言葉のイラストがいっぱい。「これ、何だ?」と指差しながら、親子でクイズを出し合うのも楽しいですよ。
    中にはちょっと難しいものも。分からなかったら、巻末の著書紹介の上に答えが載っているので、見てみてくださいね。

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  • 大きなママの登場です! 人だけでなく、犬までもママのことをジロジロ見ています(イラストにはこういった「遊び」の要素がたくさん隠れていますから、探してみてくださいね)。
    でもママは気にしません。ママはふとっているからって、卑屈になりはしないのです。それを証拠に、服やアクセサリーも色鮮やかでおしゃれでしょう? みんなの注目をあびたって、いいんです。だって、ママはママなんですから。
    一方、主人公の「ぼく」はまわりの目を気にして、ビクビク、オドオド。お子さんと自分らしくあることの大切さについて、ぜひ話し合ってみてください。

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  • ホットドッグ屋さんで、いったいママはフランクフルトとホットドッグとハンバーガーを何個食べたのでしょう? 親子で数えてみてくださいね。

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  • ぼくが、おとなりの女の人をママとよぼうとすると、なぜかマではじまる別の言葉になってしまいます。「これはマラソンだね。これはマキジャクだね」などと、対話しながら、読み進めると楽しいですよ。

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  • ママのつくる料理にもご注目を。ママは結構マメに手作りをするみたいです。量が多すぎるのは、タマにキズですが……。こんなところからも、ママの深い愛情を感じとることができます。ぼくはママが大好き、そしてママもぼくが大好きなんです!

☆イラストはイラストレーターの高畠さんに許可を得て掲載しています。転載はご遠慮ください。©Nao Takabatake

http://reikohidani.net/754/

 

板橋区立美術館夏の教室

板橋区立美術館の夏の教室に参加しました。個人的に絵本について感じたこと、考えたことを書いてみたいと思います。ご関心ある方はおつきあい下さい。

今回のお話はどれもとても面白かったのですが、私の心に特に響いたのはフィリピンのミンダナオで子ども図書館を創設された松居友さんのお話でした。とにかく衝撃的でした。

松居さんは笑いながらこうおっしゃるのです。絵本は国境を越えるのか、というのが今回の講座の題目みたいだけど、国境なんて人間が勝手につくったものじゃありませんか? 渡り鳥が空を飛ぶのにパスポートに判子を押してもらうんですか? 大人はありもしないものを勝手に作って、「国境を越えるのは難しい~」なんて悩むんですね。可笑しいですね。

松居さんはさらにこうおっしゃいます。ミンダナオの子ども達は皆、それぞれの物語を持っている。絵本がなくても、人から人へと物語が語り継がれているのだと。お話の生きている社会、語りのある世界、絵本がなくても語るのが当たり前の社会、超自然的なものがいると大人も子どもも信じていて、遊びの世界が巷に生きている社会が今も存在するのだと。大人達が他人の子だろうと自分の子だろうと関係なく、子どもの成長を見守る社会。子ども達が自然の中で駆け回り、たくさんの会話を交わし、笑い合う姿を、周りの大人が喜びをもって受け止める社会。困った人がいたら当然のことのように助ける社会。「煩わしい」、「迷惑」そんな寒々しい言葉が飛び交う今の日本の社会とは対極にあるように思えました。

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しかしそんな地に紛争が起きてしまいます。紛争で傷ついた子ども達が松居さん達のストーリーテリングで笑顔を取り戻す映像を見て、絵本の力を再確認することができました。(出典:http://www.edit.ne.jp/~mindanao/documentarysite.html)

松居さんは日本はこんなにも豊かなのに、子どもの自殺率が高い、日本の子ども達の心の貧困の問題をどうにかしなくてはならないともおっしゃっておられました。

子どもに幸せな日々を送って欲しいと思うのは親としてごく自然な感情に思えます。でも今の日本、特に都会で暮らす子ども達は幸せなのでしょうか。そんなことを考えて、時々胸がしめつけられます。かといって今の便利な生活を手放すことはなかなかできないでしょう。混沌とした思いに1つの答えを下さったのが福音館書店の編集者、唐亜明さんのこんなお話しでした。

絵本は都市化、工業化した社会でこそ生きてくる。例えば水牛が身近にいる村で暮らす子ども達は絵本で水牛を見るより、実際乗ってみた方がいい。しかし表に出たら車がびゅんびゅん走っていて遊び場がない、自然がない、そんな近代化した社会に暮らさざるをえない子ども達もいる。そういう子達が絵本を読むことで例えばモンゴルの大草原を知ることができる。生活水準がある程度のところまで達しないと絵本というのは生きてこない。その国の経済がある程度発展しないと絵本は発展しない。絵本は都会の文化から生まれたものだと。農業的な社会で生きられない子ども達に向かって主に絵本は作られているのだと。

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参考:http://reikohidani.net/1187/(デンマーク、イブ・スパング・オルセン、子どもと自然、遊び環境について)

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ブロンズ新社の若月眞知子さんのお話も印象的でした。日本国内だけでなく外国での翻訳出版も視野に入れて活動されているアクティブな出版社さんという印象を受けました。ボローニャ・ブックフェアなどでの海外の出版社との交流を通して多くのことを吸収し、前向きなエネルギーへと変えてらっしゃる方だと思いました。

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私が一番大好きな絵本の翻訳は『リサとガスパール』の石津ちひろさんによるものです。

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初めて書店でその絵本を読んだ時、素晴らしすぎて一瞬、私の中で時が止まりました。単なるキャラクターものととらえる人もひょっとしたらいるのかもしれませんが、私にはそうは思えません。子どもの目線におりた文、イラスト、そして石津ちひろさんの生き生きとした素晴らしい訳文が私は大好きです。こういう訳文を書けるようになるのが私の夢です。

若月さんのお話をうかがってこういう妥協をしないこだわりのある方が営んでいる出版社だからこそ、こんなに素晴らしい作品を日本に紹介できたのではないかと思いました。また各国の絵本の発展はその国の経済状況に大きく左右されるものだということも分かりました。

ボローニャ・ブックフェアをきっかけに海外と日本両方で絵本を発表しておられるよねづゆうすけさんお話も私に多くのことを教えてくれました。(出典:http://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=26、http://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=168)海外と日本のニーズの違いもあるようですが、スイスの編集者さんからもらったアドバイスを非常に前向きに受け止め吸収し、自分のものにする--とても難しいことに思えますが、それを素でできてしまうところがよねづさんのすごいところで、支えてあげたい、もっと彼の作品を伝えたいと編集者さんが思われたのがよく分かる気がしました。

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あいうえおあいうえお絵本ナビ

他にも広松由希子さん、三宅興子さんの素晴らしいお話も聞くことができました。詳しい内容は板橋区立美術館HPに掲載されているようです。参加者の方達ともお話できて嬉しかったです。とても充実した2日間でした。ありがとうございました。

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板橋区立美術館しかけ絵本のワークショップ

板橋区立美術館しかけ絵本のワークショップに3日間参加してきました。
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講師は『サンドイッチ いただきます』(ポプラ社)が2015年 IBBY障害児図書資料センター 推薦図書に選ばれた岡村 志満子さんです。

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美術館内の書店では先生の絵本も販売されていました。娘が気に入ったのは、『フルーツケーキ いただきます』。特に女の子に人気で、講座終了後、書店に積んであった本はたちまちなくなってしまいました。先生からサインもいただけました!

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出典(Kilder):ポプラ社のHPより
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講座は子どものみ参加なので、その間館内のカフェで仕事。壁にはボローニャ絵本原画展やその他児童書の情報が一杯! 夏は絵本のイベントが目白押しですね。

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ノルウェーの作品がボローニャ国際原画展でSpecial mentionに選ばれたのですね。

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2階の展示会場で『どうしてぼくはここにいるの?』( “HVORFOR ER JEG HER?” )の絵本も読むことができました。
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出典(Kilder):Magikon社のHPより

画家のAkin Duzakinさんのブログで画像をたくさん見ることができますのでぜひ見てみてください。
『むこう岸には』(ほるぷ出版)を思わせるテイストの、哲学的で根源的な問いに満ちた素晴らしい作品です。

他にも『ハエのアストリッド』のマリア・ヨンソンさんの『遠くから来た女の子』(Flickan från långt borta)の原画も展示されていました。
こちらのサイトで本の中身が少し見られます。

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出典(Kilder):評論社のHP、Bonnier Carlsen社のHPより

他にデンマークのRasmus Brenghøjの『イブ・マッセンのおはなし』(Historien om Ib Madsen)

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(こちらのサイトで中身を見られます)

スウェーデンのKarin Eklundの『なかよくなれるかな』(Fitting in)なども見つけることができました。

Karin Eklundさんはきっと日本にいつか紹介される画家さんでしょうね。こちらの作品などとても素敵で、うっとりさせられます。

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出典(Kilder):http://karineklund.com/portfolio-page/curiosity-cabinet/

こちらも素晴らしいです。http://karineklund.com/my-first-orchestra-app-post/

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出典(Kilder):
https://itunes.apple.com/gb/app/my-first-orchestra-app-hd/id568583429?mt=8
http://karineklund.com/my-first-orchestra-app-post/

日本にいながらボローニャに行った気分を味わえました。

できあがったしかけ絵本は持ち帰って部屋に飾っています。とても貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。

今回の展示には入選していませんでしたが、過去にボローニャに入選した北欧の画家さんのうちノルウェーのオイヴィン・トールシェーテルさんは特に素晴らしい画家さんです。邦訳に『なぜイヌの鼻はぬれているの?: ノアの箱舟のふしぎな話』(西村書店)、『穴』(ワールドライブラリー)があり、未訳絵本もたくさんあります。

2014年の9月~フランクフルト・ブック・フェア会場近くの美術館でショーン・タン、しかけ絵本『オセアノ号、海へ! 』が有名なアヌック ボワロベール&ルイ リゴーらの作品とともに展示が行われました。オイヴィンさんは国際的にも評価されている画家さんです。

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出典(Kilder):http://www.museumangewandtekunst.de/en/item/id/152

未訳書はたくさんありますが、特にお薦めなのはこちらの作品です。

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出典(Kilder):https://www.cappelendamm.no/_barn-og-unge/bildeb%C3%B8ker/vaffelm%C3%B8kk-tore-renberg-9788202408336
http://rosinante-co.dk/historien-om-ib-madsen-id34889

https://books.google.co.jp/books?id=-njkAgAAQBAJ&lpg=PT3&dq=historien%20om%20ib%20madsen&hl=ja&pg=PP1#v=onepage&q=historien%20om%20ib%20madsen&f=false

http://karineklund.com/
http://karineklund.com/portfolio-page/curiosity-cabinet/

 

『キュッパのおんがくかい』読み聞かせ

『キュッパのおんがくかい』読み聞かせ

1場面目 「キュッパは まるたの おとこのこです。なかよしの もみのきの ググランと おばあちゃんの いえに あそびにきました。」というところは、少し絵が小さいのでどの子がキュッパで、どの子がググランかわかりにくいかもしれません。指差しながら読むか、導入で少し登場人物の説明をしてもよいかもしれません。

3場面目 指揮者が登場する場面は、指揮者の体が大きく描かれているせいか、子どもたちに強いインパクトを与えたようです。私は自分の中で指揮者のキャラクターをつくってちょっとこわい感じでセリフを読み上げました。
よこから ググランが 「ぼくは ググランだよ」と いっても しきしゃは 「ああ そうかい」と こたえるだけで どうでも よさそうです、というところでは、「かわいそう」と声を漏らす子や、笑う子もいました。

4場面目  キュッパのおばあちゃんが木琴を叩く姿がふきだしの中に描かれているのですが、この場面は子どもたちの注意をかなり惹きつけることができました。漫画っぽいふきだしが絵本に出てくるのが面白かったのでしょか。おばあちゃんのバチさばきが格好良かったから?

5場面目 1年生のクラスではトランペット、サクソフォンという言葉が分からなかったようです。あまり何度も指差しをするのはよくないようですが、低学年のクラスでは理解を助けるためにやってもよいかもしれません。

7場面目 エルセがキュッパにトランペットの吹き方を教える場面。これはかなり面白かったみたいです。漫画のようにコマに分かれていると、読み聞かせでは使いにくい部分もあるのですが、実際子ども達は関心を持ってくれたように思えます。

8場面目 「キュッパは れんしゅう するうちに……どんどん どんどん どんどん どんどん どんどん どんどん…… ……うまく なりました」というところは、リズムよく抑揚をつけて読めて、子ども達が面白いと思ってくれたのが伝わってきました。
「でんせんに とりが とまっているみたいだ!」というところは1年生のクラスではちょっと反応が薄く、4年生のクラスでは関心を持ってもらえました。1年生にはまだちょっと難しかったのかもしれません。

9場面目は黒いページでキュッパの動きが描かれていないので、子ども達に理解してもらえるかちょっと心配でした。でも実際は、突然黒いページが出てきたのがインパクト大だったようで、子ども達が集中して話に耳を傾けてくれているのが分かりました。「はやく でていけ!」というところ、怖い感じで、どすをきかせて読んだのですが、びくっとしている子もいました。

11、12場面目 キュッパのお皿洗いの場面です。この絵本の場合、ここから特に面白さが爆発して、何人かだれてきていた子ども達の目も再び輝くのが分かりました。子どもってやっぱり音に興味があるのですね。

13、14場面目 キュッパが楽器をつくる場面。子ども達はキュッパに釘付けです。

15場面目 「キュッパの おんがくかいの はじまりです!」この場面は最高だと思いました。こんなに愉快で楽しい場面、なかなかないですね。子ども達はすっかりキュッパの世界に入り込んでいました。
私はPCを持って行って、キュッパのおんがくかいのプロモーション映像を流したのですが、それも評判がよかったです。先生も終わった後、興味津々で、どうして絵本と連動したビデオがあるのか、と質問してくださいました。

16場面目 おばあちゃんがトロフィーを持ってくる場面。やっぱり子どもって、トロフィーや表彰状が好きなんですね。キュッパの喜びやわくわくが子ども達に見事に伝わったようです。オーシルさんの才能に脱帽です。

http://reikohidani.net/794/