映画『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』試写会、個人的感想

日比谷図書文化館で行われた『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』試写会に参加させていただきました。

この映画には様々な分野の専門家が登場します。

ハーバード大学児童発達研究所の所長ジャック・ションコフhttp://mui-therapy.org/newfinding/abuse_damage_brain.htm、『成功する子、失敗する子』でも触れられている。)、ワシントン大学学習・脳科学研究機関神経科学者パトリシア・クール(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141219/429325/

経済学者フラビオ・クーニャ

児童心理学者アリソン・ゴブニック

 

心理学者 アンドルー・N・メルツォフ

経済学者ジェームズ・ヘックマン http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141114/273808/http://toyokeizai.net/articles/-/73546?page=3)、マンダ・ギレスピー

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精神分析医ヴェラ・コネリー

児童発達研究者エイドリアナ・フリードマン、遊びの研究者レナータ・メイレレス、心理学教授リノ・デ・マセロなど。

NHKスペシャル『ママたちが非常事態!?』が好きな人なら必ず熱中できるであろう映画です。

 

(印象に残った内容)
●赤ちゃんは理性がないと誤解されていたが、30年の研究でそれが間違いだと分かってきた。子どもは科学者であり、世界で一番学ぶ能力が高い。子どもは集中できないのではなく、集中することしかできないのだ。周囲からの情報を敏感にキャッチする。

●子どもがはじめて出会うのは母親。母親との関係の中で世界を知り、人を頼ることを覚える。

●主婦は社会を築く人間を育てているのに、「いつ復職するの?」とまるで社会に役立っていないかのように言われるのはおかしい。子どもと8時間も離れているのは長すぎる。親子の時間は質が大事だと言うが、量だって大事だ。例えば仕事を30分で集中してやりましたと言っても誰も職場の人は納得しないでしょう、と主張する人も。この映画には色々な主義・主張の人が出てくる。

●デンマークなどのように長期間有給で産休、育児休暇がとれる国は、母乳育児の割合が高い。ただしデンマークでも産休を1年とらずに半年で復帰する人も多い。ただ女性の立場が強いゆえ男性が4か月育休をとるケースが多い。

●父親が育児に参加しないのは夫婦の問題ではなく、親子の問題。男親も子どもと絆を深める必要がある。

●育児には色々な方法があるのに母親は自分が正しいと思いこみ、父親のやり方を間違っているとみなし、男性を育児からしめだしがち。
●子どもにおもちゃをすぐに与えすぎない。かといってあまりにも手に入りにくいと思わせるのも駄目。そうすることで子どもはさらにおもちゃに夢中になる。

●大人は子どもと過ごすことで、例えばチョコレートの銀色の包み紙がきらきら光っているとか子どものような感受性を取り戻すことができる。

●子どもには常に伝えたいことがある。子どもの声に耳を傾けることが大事。

●子どもにとって帰属意識を持つことが大事。社会、家族、地域の一員と感じる。

●癇癪は子どもが親と分離しようと、自立しようとしている証拠。親に無意識で反発しているのだ。

●親が喧嘩しているのを見て育った子は、喧嘩が問題解決の手段だと思ってしまう。

●子育てには村が必要とアメリカでは言われている。子どもは大人1人では手に負えない。社会で育てなくてはならない。社会皆で助け合えば、喜びも分かち合える。

●時短をとっていたり、産休・育休をとる人に対し、子どもを持たない人はずるいと言う。しかし、社会をこれからつくっていくのは子ども。今ある社会に1人1人が尽くすことで、子どもが将来住みやすい社会をつくることができる。

●親にとっての最大の孤独はコミュニティの喪失。

●政府は子どもを助けようとはしても、十分に養育できない親のことは支援せず、罰しようとする。政府は親を助けることで、親が子どもと過ごす時間を増やしてあげるべき。

●1ドル子どもに投資すると、7ドルの経済的利益が生じる(犯罪が減り、収監などの費用が減る。人間の能力に投資すると生産力が上がる)。

●同性婚のカップルはそれぞれ父親、母親両方の役割を果たせる。同性婚のカップルでも社会が認めれば、子どもを育てることができる。

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子どもを保育所に預けようか、何年母親が手元で育てるのが子どもにとっていいのか悩んでいた私ですが、貧困の中で必死に働きながら子どもを育てる人達の姿を見て、どんな状況にあっても、親が子どもを愛する気持ちに優劣を付けることはできない、それぞれの事情があることを再認識し、救われました。子どもを大事に思う気持ち、子どもが好きだという気持ちにもっと自信を持って、生活やお金と折り合いをつけながら、自分のできることをしてあげたいと思いました。子どもの発達、育児、遊びなど、学術的な研究がもっとお母さんにアクセスしやすくなれば、迷ったり悩んだりする人も減るのではないでしょうか。今回出てきた専門家の著書には未訳のものも多いので、ぜひ訳してほしいです。

映画の後には臨床心理士、日本プレイセラピー協会理事の本田涼子さんとユニセフの方のトークがありました。会場の様子をのせてよいとのことでしたのでアップします。

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本田さんがおっしゃっていた飛行機が緊急着陸する時、酸素マスクを最初につけるべきなのは親。子どもに最初につけて、親が窒息したら共倒れになってしまうという言葉が印象に残りました。また本田さんはブル-ス・D.ペリ-の名前も挙げてらっしゃいました。

 

 

最後に子どもと親の愛着を育てるために寝る前に佐々木マキさんの『はぐ』を読んで、ハグしてから寝るといいとも教えていただきました。家に帰ってから子どもが何を見て集中しているのか観察するのを面白く感じました。子どもと過ごすのが楽しくなりそうです。育児が辛いママにもお薦めの映画です。パパと一緒に観てもよさそうです。この映画は父親と母親が子育ての責任をなすり付け合うような映画ではありません。10ある育児時間を父親と母親で分担しあうというよりは、母親は母親で子どもとの関係を築き、父親は父親で子どもとの関係を築く。育児は夫婦の問題ではなくて、親子の問題と捉えることで、パパへのイライラも減りそうに思えました。私は子どもが好きだから、子どものために、育児をする。そういう思いで育児したいです。また社会全体で育児を支えようと考えてくれている人達の存在もまた心の支えになりそうです。

 

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私も子どもの遊び、子どもの冒険心、探究心を描いた児童書や育児書を訳していきたいです。

参考:『かぜ』

http://reikohidani.net/2479/

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『あめ』

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http://reikohidani.net/2762/

『キュッパのはくぶつかん』

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http://reikohidani.net/774/

またデンマークの子育て、ファミリー・セラピーの専門家、Jesper Juulさんの育児書もいつか翻訳できたらと夢が膨らみます。

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デンマークの脳科学と育児についての本も訳したいです。

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またデンマークのおもちゃ研究家の本や、赤ちゃんとの遊びについての本も訳したいです。

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スウェーデンのプレイ・セラピーについての絵本もあります。写真はLilla Kattenさんのサイトより。現在品切れのようですが、かつて扱いがあったようです。

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