以下のように子ども達に問いかける形でブックトークを行いました。
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みなさんはおこづかいをもらっていますか?
☆手を挙げて「ぼく○○円もらっている」と言う子もいました。一方まだもらっていない子も。
欲しいものが見つかったら、その都度お家の人に相談をして買ってもらっている人もいるかもしれません。どちらの方法も間違いではありません。
では、なぜおこづかいを渡す家があるのでしょうか? 色々な考えがあるでしょうが、子どもにお金の使い方を学び、お金の大事さを知ってもらいたいというお家もあるかもしれません。
おこづかいをもらい、自分で管理をするようになったら、考えなくてはならないことがあります。どうしてそれがほしいのか? どれが本当に必要なのか? ということです。何を買うのが無駄遣い、贅沢なのか、どうやって判断したらよいのでしょう?
学校ではお金について勉強しますか? ☆子ども達が首を横に振りました。先生にもうかがってみたところ、「5年生の社会の時間に経済のことを少し勉強するけれど、お金のつかい方、つきあい方についてはほとんど勉強しないかもしれない」との答えが返ってきました。
では本を読んでみてはどうでしょう? 今日はこんな本を皆さんに紹介したいと思います。『お金とじょうずにつきあう本』(晶文社)というフランスの本です。
この本にはこんなことが書いてあります。
☆以下のページを読み上げました。10ページ「生きるのに必要なものってなに?」、11ページ「くらしの中で、なにがあるとべんり?」、12ページ「ほしいってどういうこと?」、13ページ「どうして、それがほしいの?」
大人にとってもお金と付き合うのはとても難しいことです。皆はお家の人が家計簿をつけながら、今月はつかいすぎちゃった、とため息をついているのを見たことはありませんか?
そのお金というのはどうやって得られるものなのでしょうか?
☆子ども達が手を挙げ、「仕事をする」と言いました。
おうちの人はそうして得たお金を、食べ物や服代など、みんなが健康な生活を維持するために必要なものに使います。皆の学用品なども買います。
学校の勉強の他に、皆におけいこごとに行ってはどうかと言うお家の人もいるかもしれませんね。おけいこごとは、学校とは違って絶対に行かなくてはならないわけではありません。小学校高学年になるとクラブ活動もありますから、やっていない子は、そこで様々なスポーツや音楽などにチャレンジしてみてくださいね。
でも仮に皆がおうちの人から「おけいこごとをやらない? 何をやりたい?」と聞かれたらと想像してみてください。皆はどんな風に考えますか? 次の中から選んで下さい。
☆14ページ、15ページを読み上げ、6つの選択肢の中から1つ選んで手を挙げてもらいます。その後16ページ、17ページの答えを読み上げました。
この本にはこういった問いがいくつか書かれています。この本がお金との付き合い方について皆が考えるきっかけになれば嬉しいです。
お金について話すのはとても難しいことです。なぜなら、お金というのは平等に与えられるものではないからです。お金について考えたり話したりすると、不安になったり嫌な気分になる人もいるでしょう。だからお金についてあまり話したくない、考えたくないという人もいるかもしれません。一方であれを買いたい、これを買いたいと考えることでわくわくして楽しくなる人もいます。お金というのは、とても不思議なものです。
それでも今日、皆にお金について考えて欲しいと思ったのは、お金というのは嫌でも一生付き合わなくてはならないものだからです。お金について考えることで、将来お金を稼ぐためにこんな仕事をしてみたい、その仕事につくためにこんな勉強をしてみたいと将来への夢や希望が広がればとても嬉しいです。皆のお家の人が働いている意味も分かってくることでしょう。
お金は人生の全てではありませんが、避けては通れない、人生の一要素なのです。
お金についてもっと知りたい、考えてみたい人はこんな本もあります。ぜひ読んでみてください。
『レモンをお金にかえる法』(河出書房新社)
目で見る経済 「お金」のしくみと使い方 作:アルヴィン・ホール / 訳:相良倫子出版社:さ・え・ら書房 |
アニメ版ちびまる子ちゃん まる子の貯金箱の巻 原作:さくら ももこ出版社:金の星社 |
学校では教えてくれない大切なこと(3) お金のこと 編:旺文社 / イラスト・マンガ:関 和之出版社:旺文社 |
一円大王さま 作:すとう あさえ / 絵:白土 あつこ出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社 |
『シアワセなお金の使い方 ―― 新しい家庭科勉強法2 ――』(岩波書店)
『この世でいちばん大事なカネの話』(西原理恵子著)
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(反省)
子ども達の前でお金の話をするのはとても難しかったです。習い事の話については習い事をしていない子もいるので、言葉を選びながら話をしたつもりですが、十分ではなく、言い訳っぽくなってしまいました。習い事をしてみたいけれど、おうちのお金がなくなってしまうのではないかと心配だと言う子もいました。クラブ活動のことを挙げましたが、十分にフォローできたか難しいところです。お金というのは本当にデリケートな話題だと痛感しました。学校教育で取り上げにくいのも家庭間の格差の問題もあってのことなのかもしれません。
でも先生も子ども達もすごく興味を持ってくれて、反応はとてもよかったです。このテーマの本について勉強を続けたいです。
ノルウェーでは子ども向けのお金についての本でこんなものが出ているようです。ノルウェーの文学団体NORLAが推薦しています。
『経済学って何? 事実と考察』(Hva er økonomi? Fakta og funderinger)
内容紹介:http://reikohidani.net/1599/
お金について開けっぴろげに話しすぎると下品な感じがするかもしれませんし、言葉を選ばないと相手を傷つけてしまいます。かといって教育的すぎる本、建前だらけの本はつまらない。子どもは大人が本気で自分達と向き合ってくれているのか、すぐに見透かします。子ども達の心にまっすぐに届くような本を訳したいです。
大学の学費が無料の国、教育の格差がない国では、もっとお金について学校で話しやすいのではないかと思いました。日本で家庭の経済状況を理由に進学をあきらめる子どもがいるのは事実です。子ども達の学びの機会がお金によって制限されることがない社会の実現を切に願っています。