スウェーデンの作家で『ラッセとマヤのたんていじむしょ』の作者のマッティン・ビードマルクさんにインタビューをさせていただいた時に、マッテインさんがこんなことをおっしゃっていました。
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/mwidmark.htm
ラッセとマヤのたんていじむしょ ダイヤモンドのなぞ 作:マッティン・ビードマルク ヘレナ・ビリス / 絵:マッティン・ビードマルク ヘレナ・ビリス / 訳:枇谷 玲子出版社:主婦の友社 |
Q. 極端に日が短く、暗い北欧の冬を、子どもたちはどんなふうに過ごしているのですか?
私はスウェーデンで生まれたので、厳しい冬には慣れています。でも今年(2010年)の冬は特に激しい豪雪に見舞われました。私の家の庭ではこれくらい(胸くらいの高さまで手をあげて)の高さまで雪が積もったんですよ。冬はマイナス25度にもなります。
スウェーデンの冬は厳しいんです。過ごし方は2通りあるでしょう。スキーをしたり、アイスホッケーをするなど、楽しみ方を見出すか。もう一つの解決策は冬をとにかく4ヶ月間忌み嫌い続けること。スキーをすれば、雪と触れ合う機会を得ることができます。それ以外に、その状況を嫌うという選択肢もあるのです。15年前までは、スウェーデンに住むのは嫌だなあと考えていました。日本みたいな場所に住みたいって思っていたんです。でもね、スキーをするなど、いろんな手立てがあるって気がついたんです。15年前、息子のヨハネスが生まれた頃、スキーを始めました。私個人としては、夏はスウェーデンで過ごして冬は別の国に行ければどんなにいいかと思っていたのです。でもヨハネスが生まれ、このままじゃいけない、何とかしなきゃって気がついたんです。ヨハネスもカイサも冬嫌いでしたから。
冬を愛する人達も気持ちは、今もまだ完全には分かりませんが少しずつ分かり始めているところです。でもスウェーデンの冬が恐ろしく寒いのは確かです。
でも物を書くにはスウェーデンはうってつけの場所です。スウェーデンには春、夏、秋、冬と四季があります。そしてどの季節もそれぞれ非常に異なる顔を見せてくれます。このような変化に富んだ四季により、スウェーデン人の特性が養われたと言う人もいます。
私の場合は夏と冬に一番創作意欲を駆り立てられます。冬に小さな家の窓から雪景色をながめていると夏を舞台にした素晴らしい話が思い浮かぶんです。なぜなら、私の意識は空想の世界へと羽ばたいていくからです。また、夏になると、冬のよさが分かるようになります。他の季節を夢見るのは、詩を書く上で、とても良い方法だと思います。
恐らくアストリッド・リンドグレーンも同じだったのではないかと思います。彼女は自身の幼少期について物語を書いています。でもリンドグレーンは生まれ故郷を去り、首都ストックホルムに住んでいたはずです。妊娠を機にストックホルムに移住したんじゃなかったっけな。でも彼女は幼少期のことを懐かしみ、物語りにしたのです。そういう意味で、四季があるのはいいことだと思います。優れた作家というのは、何かにこがれるものなのです。例えばラブレターにしても、相手の女性のことを思い、恋焦がれているからこそ、良い文章が書けるのではないでしょうか? それと同じだと思います。
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北欧の作品には移り行く四季の中での自然の姿を描いたものが多くあります。
エレンのりんごの木 作・絵:カタリーナ・クルースヴァル / 訳:ひだに れいこ出版社:評論社 |
りんごのえほん 作:ヨレル・クリスティーナ・ネースルンド / 絵:クリスティーナ・ディーグマン / 訳:武井典子出版社:偕成社 |
こういう本が日本でも翻訳されているのは、日本人が北欧の人達と同じく四季を感じ、慈しむことに敏感だからだと思いました。「旬」という日本語特有の言葉の存在や季語が俳句などに使われてきたことからもそのことがよく分かります。http://www.aeonet.co.jp/school/1513/school_now/201411/277245
また日本で出されている北欧ミステリには、雪景色を表紙にしたものが多いですね。このことは日本人の四季を感じたいという欲求のあらわれなのかもしれません。
出典(Kilder):amazon.co.jp
ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん トマトのまき 原作:さくら ももこ出版社:金の星社 |
ちびまる子ちゃんのやさいだいすきえほん にんじんのまき 原作:さくら ももこ出版社:金の星社 |
そらまめくんのベッド 作・絵:なかや みわ出版社:福音館書店 |
ソフィーのやさいばたけ 作:ゲルダ・ミューラー / 訳:ふしみ みさを出版社:BL出版 |
娘が食べものに興味があるのもあり、最近家族でシェア畑というサポート付き農園の区画を借りて、野菜づくりをはじめました。デンマークにもこれと似たコロニーヘーヴェ/ヴという市民農園があります。(カタカナ表記はいつだって難しいですね。意見は人によってばらばらです)
スーパーではほぼ一年中様々な種類の野菜が手に入ります。野菜を育てることで旬というものを少しずつ意識できたらと思います。
絵本を使って、今育てている野菜がどんな歴史をたどってきて日本で栽培されるようになったのか、どんな風に育て、調理すればいいのか学ぶのはとても面白いです。
http://www.ruralnet.or.jp/ehon/ia/
ハクサイの絵本 作:わたなべえいえつ / 絵:みねぎしとおる出版社:農山漁村文化協会(農文協) |
ダイコンの絵本 作:佐々木寿 / 絵:土橋 とし子出版社:農山漁村文化協会(農文協) |
また寄せ植え作りにもチャレンジしました。
庭をつくろう! 著:ゲルダ・ミューラー / 訳:ふしみ みさを出版社:あすなろ書房 |
リネアの小さな庭 作:クリスティーナ・ビョルク / 絵:レーナ・アンデション / 訳:山梨幹子出版社:世界文化社 |
フローラのにわ 作・絵:クリスティーナ・ディーグマン / 訳:ひしき あきらこ出版社:福音館書店 |
心が癒されました。
読んで下さってありがとうございました。